<プロボクシング:WBA、WBO世界ライトフライ級王座統一12回戦>◇17日◇東京・両国国技館WBA世界ライトフライ級王…
<プロボクシング:WBA、WBO世界ライトフライ級王座統一12回戦>
◇17日◇東京・両国国技館
WBA世界ライトフライ級王者の高見亨介(23=帝拳)が王座陥落し、王座統一に失敗した。WBO世界同級王者のレネ・サンティアゴ(33=プエルトリコ)と2本のベルトを懸けて激突し、1-2で判定負けを喫した。プロ11戦目で巡ってきた統一戦。日本男子7人目となる王座統一は達成できなかった。
7月に無敗の2階級制覇王者エリック・ロサ(プエルトリコ)を10回TKO撃破し、プロ10戦目でWBA世界同級王者となった。その後、サンティアゴからSNSのDMが届き、王座統一戦を希望された。その後、両陣営が交渉を進めて合意。11戦目の初防衛戦が王座統一戦になるというチャンスが巡ってきた。高見は「自分の実になる、収穫になる試合を組んでもらっているので、すごく自分の伸びしろを感じる。帝拳ジムに入って良かったと思っている。その期待に応えたいなと思っている」とリングに向かっていた。
WBOベルトは3月にサンティアゴに判定で敗れたジムの先輩、岩田翔吉が保持していた世界王座。ジムの先輩、ジムとして世界ベルトを取り返したかった。11月のWBC世界バンタム級王座決定戦で同門の那須川天心が、序盤に圧倒しながら中盤に手数とプレッシャーを強めた井上拓真に判定負け。「気を引き締めて自分が帝拳ジムを活気づけようと思った。自分はそれを覆したい」。
さらにSNSに投稿されたジムへの戦術批判も反応し「戦術プランが帝拳ジムはあまりないじゃないかというコメントを見るんですよ。足を使われると追い切れないとか、仕留め切れないとか。プランB、Cがないと。自分はそれを覆したい」と名門ジムの看板を背負う意識を高め、王座統一戦のリングに立っていたが、10歳上のベテラン他団体王者に屈した。
5歳で自宅近くのキックボクシングジムで格闘技をはじめ、小学2年から本格的にボクシングへ転向。中学1年から帝拳ジムに通い始め、田中繊大トレーナーから指導を受けた。本人は中学卒業した後からプロ転向を希望していたが、周囲の説得もあって目黒日大高ボクシング部に進学し、高校2冠を獲得。22年7月にプロデビューし、転向3年、11戦目で王座統一戦のチャンスをつかんだ。将来的に世界3階級制覇を狙う23歳の若武者がプロ初黒星の悔しさを胸に秘め、フライ級への転向も視野に入れて再起を図る。
各ラウンドVTRと記者採点は次の通り。
【1回】お互い距離の確認。高見がガードの上だが鋭い右ストレート放つ。サンティアゴの左ジャブは速い。サンティアゴは足を使い、高見が追う展開。終盤にサンティアゴはボディー連打。サンティアゴ10-9高見
【2回】序盤にサンティアゴの右ストレートが決まる。足を止めて連打。中盤も接近戦から上下の連打を決めた。高見は距離を詰め切れない。残り10秒でサンティアゴが左右の連打を決めた。サンティアゴ10-9高見
【3回】サンティアゴから開始から左ジャブなど手数多い。高見も懸命に左ジャブを放つ。1分すぎにサンティアゴの左フックが決まる。中盤に高見が強引に中に入り、ボディーブロー連打を放つ。終盤は打ち合いに。サンティアゴ10-9高見
【4回】開始からサンティアゴの鋭い左ジャブが決まる。1分すぎに高見は右ボディーブローを決めた。中盤、高見が左ボディーを決めるも、サンティアゴもリターンで連打放つ。残り1分を切って打ち合いに。足を使いリズムあるサンティアゴが有利だった。サンティアゴ10-9高見
【5回】高見も手数が増えてきた。ただサンティアゴは足を使い、クリーンヒットを阻止。残り1分を切って打ち合い。高見はカウンターの右ストレートを決めた。高見10-9サンティアゴ
【6回】高見が序盤から左ジャブ、右ストレートと手数が多い。サンティアゴは足を使ってうまく防御。高見は得意の左ボディーブローを決めた。高見は終盤にボディーブロー、カウンターの左フックを決めた。高見10-9サンティアゴ
【7回】序盤はサンティアゴの手数上回る。高見は左ジャブ連打で距離を詰める。残り1分を切って高見は左右ボディー連打。終盤は足を使うサンティアゴに対して、高見は懸命に接近戦を挑んだ。サンティアゴ10-9高見
【8回】サンティアゴは距離を取って左ジャブを伸ばす。1分すぎには右ストレートを決めた。高見は中盤に右ボディーブローを決めた。1分を切ってサンティアゴが左右連打、残り40秒で高見は強烈な右ボディーブローを決めた。 高見10-9サンティアゴ
【9回】中盤にサンティアゴが強烈な右ストレートを決めた。足を使いながらヒットアンドアウェーを貫く。高見は後半に追いかけて強引に連打を放つ。終盤打ち合いも互いに決定打はない。サンティアゴ10-9高見
【10回】開始からサンティアゴが前に出る.その後再び足を使う。高見は懸命に追う。サンティアゴの左ジャブは的確。中盤で高見はボディーブローを決めた。サンティアゴの足は止まらない。それでも高見は前に出てボディー攻撃。サンティアゴの動きが少し鈍る。終盤、高見は左ボディーから右ストレート。高見10-9サンティアゴ
【11回】開始から打ち合い。高見が強引に前へ出て上下連打放つ。サンティアゴは的確な左ジャブ。高見は積極的に左ボディー3発放つ。残り1分を切っても強引に前に出てボディー攻撃。終了間際は激しい打ち合いを展開。高見10-9サンティアゴ
【12回】序盤にサンティアゴが連打。中盤から激しい打ち合い。お互いにスタミナを切らさず打ち合った。互いに最後まで譲ることはなかった。高見10-9サンティアゴ