プロ野球の現役ドラフトが9日、非公開で実施され、ソフトバンクは19年ドラフト1位の佐藤直樹外野手(27)を楽天に放出し、…

プロ野球の現役ドラフトが9日、非公開で実施され、ソフトバンクは19年ドラフト1位の佐藤直樹外野手(27)を楽天に放出し、ロッテの左腕・中村稔弥投手(29)を獲得した。手薄な中継ぎ左腕の補強に成功。通算99試合に登板した長崎・清峰出身の九州男児が地元に凱旋(がいせん)する。この日チームは福岡国際空港から米ハワイへの優勝旅行に出発。リーグ連覇と5年ぶり日本一のご褒美の日々が始まる。

リゾート休暇の直前に、リーグ3連覇へのピースが加わった。恒例の現役ドラフトが非公開で実施され、ソフトバンクは変則左腕のロッテ中村稔を指名。今季1軍で活躍した中継ぎ左腕は主にヘルナンデスと大江のみで、補強ポイントにも合致する。23年オフの現役ドラフトで加入した長谷川は今年3月に左肘トミー・ジョン手術を受け、来季は育成契約で再スタートすることになっている。

小久保裕紀監督(54)はハワイへの優勝旅行前に福岡国際空港で取材対応した。起用法は「まだ倉野(投手)コーチと話してない」と未定ながら「左の中継ぎはチャンスがあると思います」と期待を寄せた。勝ちパターン投手は藤井、松本裕、杉山の右腕トリオ。臨機応変にヘルナンデスや大江が登板した今季だったが、来季はさらにリリーフ左腕に厚みが出る。

中村稔は長崎・清峰から亜大を経て18年ドラフト5位でロッテに入団した。今季は15試合に登板して防御率3・15。通算では99試合に登板し、7勝9敗、4ホールドの成績を残している。ソフトバンクの地元九州育ちの左腕が福岡に凱旋(がいせん)。中村稔はロッテ球団を通じて「ホークスは私にとっては地元九州のチームとなりますので、新たな気持ちで一から頑張りたいと思います」とコメントした。小久保監督は「ホークスの施設も生かしてスキルアップして活躍してくれたら」と歓迎。12球団屈指の最先端技術がそろう1、2軍施設で中村稔の飛躍が待たれる。代わってソフトバンクからは19年ドラフト1位の佐藤直が楽天に移籍する。

ハワイへの優勝旅行に向けて、中村、周東、牧原大らナインは福岡からハワイ・ホノルル行きのチャーター便に笑顔で乗り込んだ。常夏のハワイで日本一軍団によるリフレッシュの日々がスタートする。【只松憲】

◆中村稔弥(なかむら・としや)1996年(平8)7月8日、長崎県生まれ。清峰では甲子園出場なし。亜大では3年秋と4年秋に最優秀防御率。18年ドラフト5位でロッテ入団。19年6月17日中日戦でプロ初登板。同年8月24日ソフトバンク戦でプロ初勝利。22年以降は中継ぎに専念。通算99試合、7勝9敗、防御率4・03。来季推定年俸2000万円。178センチ、84キロ。左投げ左打ち。