来オフのFA後に史上最高額の契約を望んでいるとされるスクーバル(C)Getty Images 現地時間12月8日から米フ…

来オフのFA後に史上最高額の契約を望んでいるとされるスクーバル(C)Getty Images

 現地時間12月8日から米フロリダ州オーランドでウインターミーティングがいよいよ開催される。MLBの各球団幹部、そして代理人たちが一堂に会する同会議は、し烈な契約交渉の場にもなる。

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 米球界は毎オフのようにウインターミーティングをキッカケに大物FAやトレードが一気に進む傾向にある。ゆえに現地メディアでの移籍報道も過熱している。

 FA選手たちを中心に獲得論争が繰り広げられる中、小さくない注目を集めているのが、タイガースの最強左腕タリク・スクーバルの動静だ。来季にFAイヤーを迎える28歳だが、球団との契約延長に向けた交渉は難航。1億7000万ドル(約256億円)規模の大型契約を提示された本人側との間には、約2億5000万ドル(約376億円)以上の開きがあるという。

 無論、実力は疑いの余地がない。2年連続でサイ・ヤング賞を手にした2025年シーズンも31試合に先発してリーグトップの防御率2.21をはじめ、241奪三振(同2位)、クオリティスタート21回(同2位タイ)、13勝(同6位タイ)と軒並みハイスタッツを記録。名実ともに球界最強水準のエースとなった。

 タイガースとしてはスクーバルを長期的に引き留めたい意向だが、経営規模は決して大きくはない。仮に山本由伸がドジャースと締結した「投手史上最高額(12年総額3億2500万ドル=約495億円※当時のレート)」を超える規模の契約を要求されれば、チームの総年俸も圧迫されかねない。となれば、見返りが計算できるうちに、トレードを試みるというのも“現実的”ではある。

 巷ではトレードの可能性を指摘する声が日に日に強まっている。

 米スポーツ専門局『ESPN』のバスター・オルニー記者は「タイガースはスクーバルがデトロイトに留まるという立場を崩す気配を見せていない」としながらも、「トレードオプションに関する他球団との協議は続けられている」と指摘。「実際に彼をトレードで放出するかどうかは依然として不透明なままだ。しかし、ご想像の通り、契約延長に際して(スクーバル側から)要求されている契約金は莫大だ」と見通した。

「タイガースは、彼を『残す』と発表することで、少なくともこのオフに関してはトレード交渉を打ち切ることができる。彼は2026年チームにとって最大の差別化要因となるため、仮にトレードを実現させるなら、放出に見合う大きな見返りを得る必要があるだろう」

 このオルニー記者の“分析”を伝えた米誌『Sports Illustrated』は「スクーバルのトレード価値を見極めるのは難しい」と強調。そして、一部で囁かれる“世界一軍団”への電撃的な加入に切り込んでいる。

「スクーバルは間違いなく現在のMLBで最高の投手だが、球団との契約は残り1年しかない。この左腕が、来オフのFA市場で記録破りの契約を求める可能性が高いとなると、事実上1年間のレンタル契約になりかねない。その価値を見極めるのは容易ではない。

 ドジャースは、来シーズンに向けては実力派投手たちが離脱から戻ってくることが予想され、先発投手の増強は必ずしも喫緊の課題ではない。だが、スクーバルを獲得すればチームのワールドシリーズ3連覇の可能性は明らかに高まる。彼がヤマモト、スネル、オオタニ、グラスノーと並べば、優秀な投手陣をより確固たるものへと昇華させる存在となる」

 果たして、大物左腕のビッグトレードは実現するのか。ウインターミーティング以降に進むであろう交渉の行方から目が離せない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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