12月9日にプロ野球の現役ドラフトが行われる。今回が4度目だ。阪神はソフトバンクから獲得した大竹耕太郎投手(30)に始ま…

12月9日にプロ野球の現役ドラフトが行われる。今回が4度目だ。

阪神はソフトバンクから獲得した大竹耕太郎投手(30)に始まり、過去3回とも「成功」といわれている。その2人目が23年オフに指名した漆原大晟投手(29)だった。

オリックス所属だった漆原は当日、球団マネジャーから電話があり「現役ドラフトで選ばれました」と告げられた。移籍先は知らされないまま、舞洲の球団施設に車を走らせた。そこで初めて幹部から「阪神」と聞かされた。

オリックスで抑えも務めた実力者だが、その年は出番を減らしていた。V3を達成したチームは世代交代が進んでいた。「若い選手が次々と出てきて、自分より上の選手も少なくなっていた。ひょっとしたら、という気持ちはありました」と覚悟していた。

いざ指名されると、動揺はあったが、すぐに前向きになれた。チャンスが広がるとイメージできた。

「オリックスに思い入れはあったけど『よし、やってやろう』と思いました。日本一の阪神からの指名ですから、ありがたい気持ちでした」

移籍1年目の昨季は、ブルペン要員で奮闘。当時の岡田彰布監督が名指しで貢献をたたえたこともあった。とくにピンチの場面での粘り強い投球が光った。ただ、移籍2年目の今季は故障もあって持ち味を発揮できなかった。

戦力外通告を受けて、先日、現役引退を表明した。