「ATPファイナルズ」(11月12日~11月19日/イギリス・ロンドン/室内ハードコート)のシングルス・ラウンドロビン1日目グループ〈ボリス・ベッカー〉第2試合は、今大会初出場にして最年少のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)とマリン・チリッ…
「ATPファイナルズ」(11月12日~11月19日/イギリス・ロンドン/室内ハードコート)のシングルス・ラウンドロビン1日目グループ〈ボリス・ベッカー〉第2試合は、今大会初出場にして最年少のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)とマリン・チリッチ(クロアチア)が対戦。6-4、3-6、6-4でズベレフが勝利した。試合時間は2時間5分。◇ ◇ ◇
第1セット、コイントスに勝ってサーブを選択したのはチリッチ。対するズベレフは非常に良い立ち上がりを見せ、第1ゲームでいきなりブレークのチャンスを迎える。長いラリーの後、上手くネット際に落とすボールでブレークに成功する。その後はお互いにキープする展開になり、このままズベレフが先行するかと思われた。しかし、チリッチが巧みにスライスを織り交ぜたショットでズベレフのペースを乱し、さらにズベレフのミスも第4ゲーム頃から増えてきて先が読めなくなってきた。最後はズベレフが調子を取り戻してエースを決め、ラブゲームでキープ。6-4で第1セットを先取したのはズベレフ。
続く第2セット。調子を取り戻したチリッチは第1ゲームをキープすると第2ゲームも先行し、15-40でダブルブレークのチャンスを迎える。なんとしてもブレークしたいチリッチは必死に走ってボールを追うも、1本目はアウト、2本目はネットになり、デュースへ。ここではズベレフがミスを重ねてしまい、チリッチのブレークが成功する。その後、第6ゲーム、第8ゲームでもチリッチはブレークのチャンスをつかむが、ズベレフも気迫のエースを決めるなどしてピンチを回避した。なんとしてもブレークしたいズベレフは、第9ゲームに追い上げ、さらにチャレンジを連発してみるも追いつくことができず、3-6でチリッチが第2セットを取った。第2セットでのズベレフのエラーは19本。
ファイナルセット、チリッチは積極的にネットプレーを絡めて攻めていくが、ズベレフも負けじと前に出て応戦する。ズベレフが華麗にチリッチの頭上を抜くロブを決めたかと思えば、直後にチリッチがパッシングショットを決めるなど、一進一退の攻防が続く。第3ゲーム、ズベレフは自身のバックショットをミスしてチリッチにブレークを許してしまう。そしてブレーク後のサービスゲームでチリッチは見事なショットとサーブを決め、試合の流れを自身に引き込んだ。チリッチはその後もスライスでズベレフのミスを誘う。第6ゲームでは自らのミスにいらだち、ラケットを叩きつけるズベレフの姿も見られた。その直後、ズベレフはうっぷんを晴らすかのようなプレーを見せ、ブレークバックに成功し、ここに来て試合は振り出しに。
そして、第10ゲーム。チリッチのサービスに対してズベレフが40-0と大きくリードし、3ポイントマッチを迎える。最後はチリッチの大きく浮いたリターンをダイレクトで返し、6-4でズベレフが勝利した。
第2セットの終盤からズベレフがショットを決めて「イエス!」「カモン!」とガッツポーズをするシーンがたびたび見受けられた。それだけ気迫のこもった初戦だったのだろう。
試合後、ズベレフは「初めてのO2アリーナでの試合に興奮したし、結果にも満足した」と語った。
最年少ズベレフの快進撃はどこまで続くのだろうか。非常に今後の試合も目が離せない。
(テニスデイリー編集部)
※写真は勝利が決まった瞬間に雄叫びを上げたズベレフ
(Photo by Julian Finney/Getty Images)