◇米国女子◇Qシリーズ(予選会) ファイナルステージ 事前情報(3日)◇マグノリアグローブGC(アラバマ州)◇クロッシ…
◇米国女子◇Qシリーズ(予選会) ファイナルステージ 事前情報(3日)◇マグノリアグローブGC(アラバマ州)◇クロッシングズコース(6664yd/パー72)、フォールズコース(6643yd/パー71)
滅多なことでは短パンスタイルを崩さない西村優菜のキャディ、ポール・ヘセルデン氏が練習場に着くなりレインウェアのパンツを取り出した。これまた珍しい手袋も装着済み。最終予選会の地・アラバマ州モビールはかなり寒い。
もちろん西村も苦手な寒さ対策は抜かりなく、しっかり装備を整えて渡米してきた。ただ、5日間90ホールの前半は冷たい雨との闘いになりそう。「ちょっと恐怖なんですけど…」と苦笑するしかない。ただでさえ距離の長さを感じていたパー71(6643yd)のフォールズコースの難度がさらに上がることも覚悟している。
2シーズン守った最上位資格「カテゴリー1」を手放し、3年ぶりの最終予選会に臨む。前回の8日間144ホールから5日間90ホールに短縮されたフォーマットは大きな変更点。自らの状態の違いも冷静に計算へ組み込む。「3年前はショットに結構自信があったので、もうちょっと攻めていった回数は多かったと思う」。年間ポイントランキングで115位にとどまる要因となったショットの不調から目をそらすつもりはない。
その上で、大きなミスによってゲームを壊さないための“メリハリ”をポイントに挙げた。「ロケーション的に気持ちのいいところはしっかり行くべきだし、ちょっとでもイヤだなと思ったら一歩引かなきゃいけない」。耐え忍ぶシーズンだったからこそ、試合を通じて押し引きのラインの見極めには例年以上に丁寧に向き合ってきた。さらに、中盤戦までに比べて攻めていけそうなシチュエーションがどんどん増えてきた復調の実感もある。
直近の出場だった2週前の国内ツアー「大王製紙エリエールレディス」は予選落ちも、その後の中島敏雅コーチとの練習で「いい発見があった」と声を弾ませる。「やっていることはたぶん変わらないんです。でも、これをやったら(悪い時も)ちょっとマシになるみたいなポイントを1個、探すことができた」。意識する部分が絞れれば、迷いも晴れていく。
ともすれば、この予選会は戻ってきたくはなかった場所かもしれない。「その悔しさはもちろんある」と言いつつ、「置かれた状況でしっかり自分のやるべきことをやる。それをこの1年間、ずっとテーマにしてきた。来年に向けて、しっかり頑張らなきゃっていう気持ちの方が大きいです」。ツアー会場に比べれば殺風景で、さまざまなものが整っていない環境も、今年5月に「全米女子オープン」の予選会を米国で受験した時を思えば気にならないという。苦境におけるタフさは、ここまでの米ツアー3年間で間違いなく磨かれている。(アラバマ州モビール/亀山泰宏)