海外フリーエージェント(FA)権を行使して西武への移籍が決まったDeNAの外野手、桑原将志(まさゆき)(32)が2日、…

 海外フリーエージェント(FA)権を行使して西武への移籍が決まったDeNAの外野手、桑原将志(まさゆき)(32)が2日、横浜市内の球団事務所で退団会見に臨んだ。移籍元での会見は異例。「関係者やファンの方々に感謝の思いを発したかった」という桑原の要望が受け入れられた。

 親会社がDeNAに変わった2011年秋のドラフト4位で京都・福知山成美高から入団。走攻守で闘志あふれるプレーが特徴で、「ハマのガッツマン」の愛称でも親しまれた。リーグ3位から「下克上」での日本一に駆け上がった昨季の日本シリーズでは、シリーズ新記録となる5試合連続打点を挙げる活躍でMVPを獲得した。

 今季は開幕直前の骨折で出遅れながら、106試合で打率2割8分4厘、6本塁打、27打点、10盗塁と安定した成績を残した。チームの外野陣では蝦名達夫(28)、度会隆輝(23)ら若手が台頭する中、ムードメーカーとしての役割も含め、桑原の存在感は健在だった。

 14年間プレーしたDeNAファンに向けては「応援歌の『ガッツマン』というフレーズが野球人生を後押ししてくれた。ファンのみなさまに成長させていただいた」と感謝の言葉を続けた。

 FA権行使の理由については「環境を変えて、今まで培ってきたものを試すのはもちろん、さらに成長したい」と説明。「熱い気持ちを伝えてくれた」という西武への移籍を決断したという。

 「ベイスターズにいれば、こんなに居心地のいい、素晴らしいメンバーと野球をする以外ないかと思うが、野球人生もあと何年あるか分からない。終わったときに良かったと思えるのは、挑戦した方なんじゃないかと思った」

 同日取材に応じた木村洋太・球団社長は桑原に複数年契約を提示したことを明かした上で、「残って欲しいという思いは強かったので、非常に残念。DeNAで育った選手はいい選手だよねと思ってもらえる活躍をして欲しい」と語った。チームでは捕手の伊藤光(36)も海外FAで楽天に移籍することが決まっており、木村社長は現役ドラフトや人的補償での補強ポイントに外野手と捕手を挙げた。(清水優志)

 ■ケイ、ジャクソンらが自由契約に

 DeNAは2日、アンドレ・ジャクソン(29)、アンソニー・ケイ(30)、ローワン・ウィック(33)、トレバー・バウアー(34)の4外国人投手を来年度の契約保留選手名簿に記載せず、自由契約とすると発表した。同日取材に応じた木村洋太・球団社長によると、セ・リーグ2位の防御率1.74で9勝を挙げたケイ、10勝のジャクソンとは残留交渉を続けるが、大リーグ復帰を希望しているという。バウアーは今季限りで退団する。2季ぶりに復帰した今季は21試合で4勝10敗、防御率4.51と振るわなかった。