1勝1分けに終わった日韓戦を韓国メディアが総括した(C)産経新聞社 元MLBドラ1右腕は、“再起”の舞台に据えた。現地時…

1勝1分けに終わった日韓戦を韓国メディアが総括した(C)産経新聞社

 元MLBドラ1右腕は、“再起”の舞台に据えた。現地時間12月1日、KBO(韓国プロ野球)の名門サムスン・ライオンズは、今オフにフィリーズからDFA(事実上の戦力外)となっていたマット·マニングとの契約締結を発表した。

 MLBのドラフト1位投手としては異例の挑戦だ。

【動画】韓国球界行きを決断! 元MLBドラ1マニングの奪三振シーン

 現在28歳のマニングは、高卒だった2016年のドラフトでタイガースから1位指名(全体9位)を受けて入団。21年にメジャーデビューを飾り、順調にステップアップを遂げていた。

 傑出した完成度と「エース」になれるだけのポテンシャルを持った先発として期待されたマニングだったが、ここ数年は相次ぐ故障に泣いた。メジャーでの登板機会も遠のいていた25年7月にタイガースをDFAとなってフィリーズに加入したが、マイナーで防御率10.80と苦心。9月12日にふたたびDFAとなり、同15日に40人枠を外れる形でFAとなっていた。

 30歳を手前にした年齢を考えれば、驚きの移籍である。なぜマニングは韓国球界行きを決めたのか。年俸100万ドル(約1億5600万円)の契約を決めた右腕について「ここ数年は、KBOだけでなく、NPB球団の優先獲得対象としても名前が挙がっていた投手だった」とした日刊紙『京郷新聞』は、「アジア球界は初体験だ。決して簡単なリーグではないという話はアメリカの同僚たちから聞いた」と意気込む本人のコメントを伝えた上で、契約の背景を読み解いている。

「メジャーリーグで『有望株』と呼ばれたマニングのKBO行きのニュースは、彼が韓国で再調整をした後、メジャーリーグに再挑戦すると見られている」

 また、各国球界の移籍情報に詳しい専門メディア『MLB Trade Rumors』は「比較的に若いマニングが、過去にトッププロスペクトクラスの活躍してきた経歴を考えると、マイナーリーグ契約でありながら、MLBのどのチームも関心を示さなかったのは少し意外だ」と指摘。「オフの早い段階で、韓国球団と契約を結んだという事実は、おそらくマニングが数週間待って、何ら保証のない契約を獲得し、マイナーリーグで再び1年を過ごすという苦労を経験する意思がなかったことを示唆している」と分析した。

「あらゆる契約形態に振り回される“回転木馬”のような状況に乗るよりは、マニングはライオンズで100万ドルの契約金を得る方が良いと選んだ。KBOリーグは一般的に打者有利のリーグだが、競争レベルが低い分、彼のキャリアを立て直す助けになるかもしれない。KBOでのプレー期間内に投球レパートリーを見直し、好成績を残してMLB球団からの注目を再び集めた投手はこれまでにも複数存在する」

 韓国球界で“真価”を試すマニング。メジャーリーグで辛酸をなめてきた本格派右腕は、アジアでいかなるパフォーマンスを見せるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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