「ATPファイナルズ」(11月12日~11月19日/イギリス・ロンドン/室内ハードコート)の試合に先立ち、最多優勝6回を誇るロジャー・フェデラー(スイス)が記者会見でコメントした。「去年はここにいられなかったからまた叶って嬉しい。今年はラン…

「ATPファイナルズ」(11月12日~11月19日/イギリス・ロンドン/室内ハードコート)の試合に先立ち、最多優勝6回を誇るロジャー・フェデラー(スイス)が記者会見でコメントした。

「去年はここにいられなかったからまた叶って嬉しい。今年はランキングのずっと下位から始めなければならなかったからね。初期の目標は、おそらくウィンブルドン前後の中間地点では世界8位あたりだった」

フェデラーは、2016年のウィンブルドン敗退後、痛めた膝の回復に残りのシーズンを充てると発表し、そこから半年ほど試合に出場していなかった。復帰したのは2017年の1月。その後は破竹の勢いで数々の勝利を飾ってきた。

「『全豪オープン』を勝ってその後ずっとかなり良い位置にいたから、シーズン全体のプレーについて非常に嬉しく思った」

と、世界ランキング2位まで上ってきた自身の成績について喜びを語り、そして「ATPファイナルズ」の出場についても喜んだ。

「またここで最高の選手と競い合うチャンスを得られてとても幸せだ。ここでプレーすることは、1年の大きなハイライトの1つだ」

最多優勝を誇るフェデラーは36歳。そして今年の「ATPファイナルズ」に出場する選手の中で最も若いのはアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)の20歳。彼は「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」の出場権を獲得していたが、「ATPファイナルズ」に集中するために欠場している。つまり、若手中の若手、ということだ。

「もう慣れているよ、若い選手を相手にプレーするのは。そこで感じるのは、もう自分は25個のトーナメントを戦うことはできないというだけだ--いや、できるけれど、結果がどうなるかわからないね!」

こう語るフェデラーは、ズベレフが生まれたちょうど5ヶ月後にプロに転向している。年齢差はスタミナや運動能力の差に繋がるだろうが、テニスという競技はそれに加えてテクニックと経験に基づく判断力が重要なスポーツだ。その点では、フェデラーの方が一枚も二枚も上手だと言えるだろう。

フェデラーは、この大きな大会に向けて特別な準備をしているわけではない、とも語った。

「今やっていることは何もない、ただ12月に向けて準備しているだけだ。誰とどの日に練習するか、どこでトレーニングするかわかっている......。こういうことは全部決まっているからね。取り組むべきだろうことを前に進めるだけだ。だけど今は、今シーズンをいい形だけで終わらせることだけに集中していると思う」

彼にとっての「いい形」とは、「ATPファイナルズ」で優勝し、最多優勝記録を7回に伸ばすことだろう。

怪我に悩まされ、半年に及ぶ休養のために出場を断念した昨年の思いはあるだろうが、あくまで冷静に試合に向かうフェデラー。どのような「いい形」を私たちに見せてくれるのか、期待したい。

「ATPファイナルズ」は日本時間の今日23時にシングルス第1試合、ロジャー・フェデラー(スイス)対ジャック・ソック(アメリカ)が行われる。

一方、フェデラーの復帰を喜びながらも初優勝を狙うナダルは明日の第2試合、日本時間の11月14日5時にダビド・ゴファン(ベルギー)との試合に出場する。

(テニスデイリー編集部)

※写真は記者会見でコメントするフェデラー

(Photo by Julian Finney/Getty Images)