ドジャースの一員として世界一の美酒を味わった佐々木(C)Getty Images決して楽ではなかった怪物のルーキーイヤー…

ドジャースの一員として世界一の美酒を味わった佐々木(C)Getty Images

決して楽ではなかった怪物のルーキーイヤー

 日本球界が誇る“怪物”は、ふたたび日の丸を背負うのか。来春に開幕が迫るワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での日本代表の人選が注目を集めている。

【動画】これぞクローザー!佐々木朗希がしびれる場面で見事に抑えたシーン

 お茶の間をも巻き込む一大フィーバーとなった2023年大会からの連覇が期待される侍ジャパン。井端弘和監督が率いるチームの構成を巡っては、先日に“吉報”が舞い込んだ。大谷翔平(ドジャース)が参戦を表明したのだ。

 25年シーズンに右肘側副靭帯の損傷のリハビリから完全復活し、投打二刀流を再始動させたばかりの大谷。彼のWBC参加を巡っては、ドジャースが消極的との報道もあり、小さくない懸念があった。

 そうした中で「日本を代表して再びプレーできることを嬉しく思う」と本人が明言。起用法に関しては明確となっていないものの、井端監督にとっては頼もしい知らせと言えた。

 もっとも、他の日本人メジャーリーガーの参戦はいまだ不透明なまま。激動のルーキーシーズンを終えたばかりで、疲労の懸念がある佐々木朗希(ドジャース)の意向も同様に明確になっていない。

 決して楽な1年目ではなかった。5月中旬から右肩インピンジメント症候群で負傷者リスト(IL)入った佐々木は、一時ノースロー調整を課されるなど長く厳しいリハビリを消化。デーブ・ロバーツ監督からも「投手としてより成功するにはどうすればいいのかを考える必要がある」と“実力不足”を指摘された。

 9月に球団のピッチング・ディレクターを務めるロブ・ヒル氏と投球フォームの微修正に着手するなど、マイナー(3A)で試行錯誤の日々を送り、ポストシーズン直前にメジャーに復帰。以降はロッテ時代の生命線だった100マイル超えの4シームを軸としたパワーピッチを繰り出せるようになり、世界一にまでのし上がったポストシーズンでは、クローザーとして抜擢され、好投を続けた。

 来る新シーズンに向けては先発復帰が見込まれている佐々木。無論、体力面の強化など細かな改善が求められ、先発ローテーション入りが確約されたわけではない。右肩のコンディションなど不安材料が少なくないだけに、噂されるWBC参戦を疑問視する声もある。

「ササキに関しては話が別」とされる理由

 米誌『Sports Illustrated』は「連覇中のチームの消耗は深刻だ。選手層が厚いとはいえ、オフシーズンに休養と回復を重視される傾向がより強まっている」と指摘。多くの故障者を抱えながら1年を終える形となったドジャース内部で選手のWBC参加に対する懸念があると推察した上で、「1年を通した活躍を考えれば、オオタニとヤマモトの出場は、要請された場合に球団が受け入れる義務がある」と分析。

 一方で、「ササキに関しては話が別だ」と続けている。

「もちろんオオタニ、そしてヤマモトに関しても、ドジャースはより慎重に起用するよう働きかける可能性はある。そして、意志こそ示されていないが、1年の大半を60日間の故障者リストで過ごしたササキには、WBC出場を阻止する選択肢もある。彼は事実上のクローザーを任されたポストシーズンの活躍は目立ったが、まだ完成形とは言えない」

 日本が史上最多3度目の優勝を飾った23年大会では先発ローテーションの一角を担った佐々木。しかし、ふたたびのWBC出場は、現時点でかなりシビアな情勢と言えるのかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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