伏見は今季最優秀バッテリーに輝くなど実績のあるベテラン捕手だ(C)産経新聞社 野球評論家の佐野慈紀氏が現在の野球界を独自…

伏見は今季最優秀バッテリーに輝くなど実績のあるベテラン捕手だ(C)産経新聞社

 野球評論家の佐野慈紀氏が現在の野球界を独自の視点で考察する「シゲキ的球論」。今回は先に発表された阪神・島本浩也と日本ハムのベテラン捕手・伏見寅威との交換トレードにスポットを当てる。

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 今回のトレードで注目とされるのは阪神の捕手事情にもある。今季は坂本誠志郎が主戦を務め、115試合に出場、次いで梅野隆太郎が46試合、その後がぐっと出場機会が減り、栄枝裕貴の6試合となっている。

 捕手は育成が難しいポジションで知られ、肉体的な負担が大きいことも知られている。

 佐野氏は伏見の獲得に関して「坂本はインサイドワークは評価されていますが、やっぱり打力の面では一枚劣る。そういう意味で、まだ伏見の方が打力があって、右の代打で使えるということもある」と起用法が拡がると分析。

 さらにチームでは今季、4年契約最終年だった梅野隆太郎がマスクをかぶる機会が激減。海外FA権をめぐっての去就が注目されたが、結果FA権を行使せず、残留となった。

 「梅野も今年は少しふがいない結果に終わった。また、栄枝などの若手も伸び悩んでいるだけに、奮起を期待しているのではないか」と佐野氏は伏見の加入がほかの捕手の闘争意識に火をつけることになると予想。

 2023年、チームが日本一になった際には強気のリードで投手陣をたばねた梅野も今季は52試合に出場、打率.220、0本塁打、2打点と攻守で存在感を示すことはできなかった。

 今回、阪神に加入する伏見は今季、伊藤大海とのバッテリーで最優秀バッテリー賞を獲得するなど、キャリア豊富なベテラン捕手でもある。

 若手の多い日本ハム投手陣に対して細やかなケア、投手陣の意図をくみ取りながら緩急自在のリードで勝ち星をつけてきたとあって、その経験が阪神で生かされることも期待されている。当然、伏見の頑張り次第では、坂本に次ぐ「第2捕手争い」がよりし烈となっていくことも予想される。

 藤川球児監督率いる阪神では最強投手陣が来季も強みとなりそうだ。果たして大事な扇の要をどのように指揮官が起用していくのか。注目ポイントの一つだろう。

【さの・しげき】

1968年4月30日生まれ。愛媛県出身。1991年に近鉄バファローズ(当時)に入団。卓越したコントロールを武器に中継ぎ投手の筆頭格として活躍。中継ぎ投手としては初の1億円プレーヤーとなる。近年は糖尿病の影響により右腕を切断。著書「右腕を失った野球人」では様々な思いをつづっている。

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