◇国内男子◇ダンロップフェニックストーナメント 最終日(23日)◇フェニックスCC(宮崎)◇7117yd(パー70)◇…

40歳の塚田よおすけが2勝目。9年171日のブランク優勝は日本ツアーを主戦場とする選手では6番目に長い記録になった

◇国内男子◇ダンロップフェニックストーナメント 最終日(23日)◇フェニックスCC(宮崎)◇7117yd(パー70)◇晴れ(観衆4623人)

カウントダウンが始まるにつれ、涙がこみ上げてくるのが分かった。終盤戦、塚田よおすけはパンツの右ポケットに入れた手で、自分の太ももを強くつねっていた。2016年「日本ツアー選手権」でキャリア唯一のタイトルを得てから9年が経った。その間に結婚し、2児をもうけ、ことし5月には40歳になった。泣いた姿は見せたくない――。18番(パー5)。誓いはもろくも破られ、瞳には光るものがあった。

9年前、国内メジャーで初優勝を遂げてから、勝利に見放される時間が長く続いた。18年の賞金ランキングは112位。「好きで始めたゴルフを職業にしたことは幸せなことなのに、思うようにできず、ゴルフを嫌いになった自分がいた」。今季は大会前の賞金ランキングで70位と低迷。65位のラインに届かず、5季繋いできた賞金シードの喪失危機に陥っていた。

アイアンショットも安定した

ショットの行方が制御できなくなり「打つのが怖い。出たとこ勝負のゴルフをしていた」シーズンの半ば。日本女子ツアー7勝で、コーチに転身した飯島茜のもとを訪れたのが復調のきっかけだ。今季初勝利を挙げた後輩プロ佐藤大平のアドバイスも糧に、「インパクトで体が起き上がらないように」と心がけると、頭に描いた軌道が描けるシーンが増えた。フェードボールを主体として「ミスをしても右」と割り切れるようにもなった。

不惑を迎えたリーダーのメンタルはたくましかった。3日目、バンカーから50yd先のピンにサラリと寄せた塚田のバンカーショットを見て、同組で回った若手プロが「賞金ランク70位のバンカーショットじゃないな」とつぶやいたという。最終日も出だし1番で3パットボギーを叩きながら、「オレ、緊張してる」と自分を冷静に客観視。来季の出場権が気になる立場からも解放され、淡々と「67」、通算13アンダーで気づけば後続とは5打差が付いていた。

子どもたちへの想いを抱えて

「ジュニアに何かを伝えるのはプロゴルファーの使命」と、13年前から地元の長野県でジュニアレッスンを開催してきた。将来のトッププレーヤーを育てるのではなく、ゴルフを通じて「コミュニケーションを取ることだけ」を目的に。池田勇太石川遼を招きつつ「うまい子もいるけれど、ゴルフというスポーツを知ってもらうための、“さわり”だけのイベント」。例え慎ましかろうが、すそ野を広げる活動には意義がある。

今季開幕前に本名の「陽亮」を「よおすけ」に改名したのも、読みにくい漢字名を未来を担う次世代に知ってもらうため。「(一度登録したら)5年間、変えられないルールを僕、知らなくて。45歳までひらがな。それも恥ずかしいなあなんて思いながら(笑)」。待ちに待った復活優勝。その名前は子どもたちのあいだに、もっともっと広まる。(宮崎市/桂川洋一)