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11月20日、島田慎二氏(日本バスケットボール協会会長/Bリーグチェアマン)のポッドキャスト番組『島田のマイク』第263回が配信。B.革新に向けた全55クラブの参入カテゴリー確定を受け、5年間にわたる制度設計の舞台裏と覚悟について語った。
10月末に2026-27シーズンのBリーグクラブライセンス判定結果が発表され、島田氏は「大変だったというか、もう5年くらいずっとやってきて、ようやくこうなった」と制度設計の難しさを率直に語った。
当初、B.LEAGUE PREMIER(Bプレミア)は10数クラブを想定していたが、状況の変化に応じてクラブ数の上限を撤廃するなど柔軟に対応し、最終的に26クラブとなった。その過程でドラフト、ユース育成環境、サラリーキャップなど様々な制度を設計し、クラブ数の変動に応じて何度もチューニングを繰り返した。
「(Bリーグのさらなる成長のためにも)オーナーがビジネスとして投資できるマーケットを造らなきゃいけないですし、自治体も(地元の)企業が入ってきたのでアリーナ建設も思い切って判断したりとか。かなり周辺から良い未来を創り出すための手を尽くしてきて、こうなっています」
一方で、選手にとっては「少しやっぱりシビアだと思う」と島田氏は配慮を示した。この10年で年俸が大きく増加し、1億円プレーヤーも当たり前になったが、サラリーキャップ導入により「特にトップクラブの選手とかは、移籍をするのか、もしくは場合によっては減額を許容するのか、みたいなシチュエーションも起こり得る」と現実的な判断が求められることについて、選手の心情に寄り添う姿勢を見せながら制度決定における考えを述べた。
「本当に全体にとって何がいいかというジャッジメントをしていく時に、点で見ても結論は出ないんです。あくまでも未来に対してしっかり手を打っていく必要があって。その瞬間は見方が変わればスタンスが変わるので、みんなの主張が全部聞き入れられたら最高ですけど、聞き入れていくことを前提に考えつつもプロセスが必要な局面もあったりするのでね」
新リーグに向け高いハードルを設定し、各クラブが乗り越えた背景について問われると、島田氏は「本気でこれやるぞ、という覚悟しかないんですよ」とB.革新への覚悟を強調した。
例えば“クラブスタッフの給料は高くないものだ”と諦めてしまえば楽だが、「それでいいんですかバスケ界、ということを思ってこの仕事をしてるから、それは時には高いハードルを設定するから『きついわ』という話にはなりますよね。でもきついけど、みんなで頑張った時に見えるその世界は結構広がっている」と、あえて困難な道を選んだ理由を説明。島田氏は現在を通過点と捉え、今後も状況を見ながら制度を進化させていく姿勢を示した。
今回のエピソードでは、仙台89ERSから島田氏への誕生日プレゼントが届いた話題や、姉妹番組『島田と語りまショー』に大倉颯太(アルバルク東京)が出演したことなどについて語られた。
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※お詫びと訂正
初出時に記載していた氏名に誤りがありました。
訂正しお詫びいたします。大変失礼いたしました。
(2025年11月20日23時44分)