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米スポーツメディアの権威『The Athletic』が、「21世紀のNBA選手トップ25」と題した新旧名選手番付を発表した。
マイケル・ジョーダンからバトンを受け取った2000年代に移行以来、NBAは戦国時代の幕開けとなった。そしてバスケットボールの競技性は、この四半世紀で大きな進化を遂げている。25年前は未だインサイドアウト方式のプレーが採用され、コート上の全員がペイントエリアで熾烈な格闘を繰り広げていたわけだが、あの当時、スリーポイントが主流となり、アメリカ国籍以外の選手がリーグの顔を担って、ポイントセンターという言葉が生まれるなど、誰が想像していただろうか。
以下のランキングは、総勢43名のライター、ポッドキャスター、編集者で構成。それぞれが1位から25位までの選手リストを提出し、1位に25点、2位が24点、3位に23点というフラットな加算方式が採用されている。
1位:レブロン・ジェームズ
獲得点数:1073点

43人の博士記者のうち、41人から1位投票を受けたのが、現在の玉座に座るこの男だった。選手としての資質、個性、功績、オーラ、エンドースメント契約、広告力。そのどれを取っても、ジョーダンと肩を並べられる選手はレブロン以外存在しない。
オールスター選出歴や個人賞の数も枚挙に遑がないが、レブロンはキャリアを通してチームを勝利に導いてきた。『TheDecision』でマイアミ・ヒートへの移籍を決意すると、2シーズン目に悲願のキャリア初タイトルを獲得。そして、果たせなかった約束を守るべくオハイオへ帰還し、クリーブランド・キャバリアーズにも悲願のチャンピオンリングをもたらした。その後は亡き盟友コービー・ブライアントのレガシーを引き継ぐべく、現所属のロサンゼルス・レイカーズに向かい、ここでも自身4本目のリングを獲得している。
2023年2月には不滅の記録と言われていたカリーム・アブドゥル・ジャバーの持つNBAの歴代最多得点を更新。レギュラーシーズンの総得点はすでに4万2000点を超え、プレーオフをあわせれば5万点の大台に到達している。
キングは今後もこうしたランキングで常に1位に君臨することだろう。
2位:ステフィン・カリー
獲得点数:997点

レブロンが逃した2票の1位投票を獲得したのが、ゴールデンステイト・ウォリアーズの背番号30である。
レブロンになく、カリーにあるもの。それは「バスケットボールの常識を変えた」という称号だろう。高校時代の評価は決して高くなく、ドラフトにエントリーしたのも3年生終了後のことで、ドラフト指名順位も7位だった。身長も188センチとNBA平均身長から約10センチほど低く、それをカバーするようなフィジカルの強さもない。
それでもカリーは、コート上で輝き続け、子どもたちに夢を与えている。体の大小に関わらず、ボールは手から離れて放物線を描き、歯切れの良い「スパッ」という効果音と共にリングを潜り抜ける。カリーの最大の偉業は、パワフルなスラムダンク以上にアークの外からのスリーポイントシュートの価値を高め、先天性の恵体がなくても頂に到達できるということを証明したことだ。
数々の伝説やタイトルもさることながら、紳士的でスポーツマンシップに満ち溢れ、子どもや女子選手たちにも積極的に自己投資など、コート外での功績も看過しがたいものがある。
3位:ティム・ダンカン
獲得点数:982点

カリーとわずか15点の僅差でトップ3にランクインしたのは、サンアントニオ・スパーズの黄金期を支えたダンカンだった。
コービーやシャキール・オニールのような派手さもなく、無表情で基本に忠実なバスケットボールを遂行するダンカンのプレーは、時に”退屈”とまで言われてきた。当時のライバルだったケビン・ガーネット(同ランキング11位)は、ダンカンを以下のように賞賛している。
「あいつは『ナイストライだ』、『もうちょっとだったな』といった言葉で相手を口撃するんだ。ギャングスタ気取りの発言も、ハードコアな発言も一切ない。腹が立つのは、トラッシュトークが響かないこと。彼を煽ることにエネルギーを費やし、自分のプレーを忘れてしまったから、ティミーに悪口を言うのをやめたんだ。でも気がついたら、ティミーは20-20-15を記録していたんだ」
ダンカンが偉大である理由、それは勤勉にただ仕事に取り組む姿勢。大声で叫び、派手なセレブレーションをせずとも、生涯忘れられないプレーヤーになることはできるのだ。
4位以下
ダンカン以下には、下記のレジェンドたちが続いている。
4位:コービー・ブライアント(952点)
5位:ニコラ・ヨキッチ(873点)
6位:ケビン・デュラント(854点)
7位:シャキール・オニール(815点)
8位:ヤニス・アデトクンボ(755点)
9位:ダーク・ノビツキー(709得点)
10位:ドウェイン・ウェイド(690得点)
トップ10には現役選手と引退選手が5人ずつランクインする結果となった。
その他の引退選手で特筆すべき選手は、スティーブ・ナッシュ(482得点)で15位、アレン・アイバーソン(269得点)が17位、カーメロ・アンソニー(128得点)で24位にそれぞれ登場。
また、現役で最も若い選手では26歳のルカ・ドンチッチ(247得点)で19位となり、1歳年上のジェイソン・テイタム(162得点)とシェイ・ギルジャス・アレクサンダー(119得点)はそれぞれ23位と25位に名を連ねている。
文=Meiji
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