<大相撲十一月場所>◇七日目◇15日◇福岡・福岡国際センター【映像】名物アナが憤った「観客の野次」実際の様子 六日目に痛…

<大相撲十一月場所>◇七日目◇15日◇福岡・福岡国際センター

【映像】名物アナが憤った「観客の野次」実際の様子

 六日目に痛恨の2敗目を喫し、絶対に負けられない中で土俵に上がった横綱・豊昇龍(立浪)。気迫が表情から溢れ、取組前には館内も緊張感に包まれたが、立ち合い前に真剣勝負に水を指す男性客の野次が響いた。元NHK大相撲中継の実況でお馴染みの藤井康生アナウンサーがたまらず苦言を呈する一幕があった。

 問題の場面は豊昇龍と前頭四枚目・玉鷲(片男波)の立ち合い前に起こった。

 東の横綱・大の里(二所ノ関)は全勝街道をひた走っている。先輩横綱として、これ以上は絶対に負けられない豊昇龍。体全体から放たれる覇気を受けてか、館内は独特な緊張感に包まれていた。

 時間いっぱいとなり、両力士が立ち上がると館内も熱を帯びていく。その後も粛々と仕切り動作が続き、いよいよ行司・式守伊之助の「待ったなし」の声で軍配が返った。両力士が蹲踞の姿勢を取ろうとするとその瞬間に男性客の野次が館内に響いた。

 「ここはお静かにお願いします」

 かねてから立ち合い前の観戦マナーについて理解を求めてきた、実況の藤井アナが声を出す観客に思わず苦言を呈した。視聴者からも「静かにせい!」「集中したいのに」「軍配返ったら静かにしてよ!」などと残念な行為に批判の声が相次いだ。

 気合いたっぷりの横綱の姿、そして明日16日に41歳の誕生日を迎える玉鷲。そんな両力士の対決を前にテンションが上がるのは無理もない。

 一方で、日本相撲協会ホームページ内には『相撲競技観戦契約約款』第3章「観戦」第8条「禁止行為」において「過剰な応援、その他理由の如何を問わず、他の観客に損害を及ぼしうる行為」「その他相撲競技の進行及び施設管理の運営に妨げとなる、または他のお客様に迷惑を及ぼすと判断する行為」などと明記されている。みなが気持ちよく観戦できるように配慮が求められている。

 その後、行われた豊昇龍と玉鷲の一番は“これぞ大相撲”といったような激しさを感じられる一番だった。豊昇龍が玉鷲を寄り切りで制し、2敗を守った。玉鷲は4勝3敗。

 これから千秋楽が近づくにつれ、ますます盛り上がっていくことが予想される大相撲。それだけに力士の取組を邪魔することなく、周囲の観客の迷惑にならない観戦マナーについて確認するのがよさそうだ。(ABEMA/大相撲チャンネル)