今年のドラフトでオリックスから2位指名を受けた大阪桐蔭・森 陽樹投手。中学時代から最速143キロを投げる本格派右腕として…

今年のドラフトでオリックスから2位指名を受けた大阪桐蔭・森 陽樹投手。中学時代から最速143キロを投げる本格派右腕として注目され、高校入学時は世代を牽引する投手になるのではないかといわれた。最終的に153キロまでスピードアップしたものの、持てる力を発揮できずに、高校3年間を終えた感じがある。

 最後の夏の大阪大会では3試合15回を投げ、18奪三振2失点と好投を見せたが、投球フォームを崩しており、彼の可能性からすれば、物足りなさを感じる声も少なくなかった。

夏の最速は148キロで、どの試合も140キロ台中盤だった。抑えているように見えるが、明らかなボール球が多く、スッポ抜けている。

 最も良かったといわれる1年秋は、グラブを高く掲げて、軸足にしっかりと体重を乗せて、左足の着地を遅らせることができており、うまく開きを抑えて、縦振りの投球フォームとなっていた。

最後の夏は上下動がバラバラだった。左手のグラブを下向きに伸ばして、体を沈み込ませることで、突っ込み気味の動きとなっていた。それでも本人は上から振り下ろしたい意識があるので、横回転が強い状態でリリースしてしまう。こうなると、当然ながらコントロールもバラついてしまう。

 しかし、このフォームでも147~8キロを出せるところに森の潜在能力の高さがある。

ドラフト直前の投球練習を見ると、夏に比べると腰の横回転が抑えられ、グラブの使い方も良くなり、体の開きを抑えて、振り下ろす意識が見られた。今後さらに良くなる可能性はある。

 変化球はスライダー、カットボール、フォーク、カーブと球種は多彩で、130キロ台中盤のカットボール、フォークが大きな武器。ドラフト前には縦に大きく割れるカーブを磨いており、精度が向上すれば、さらに投球の幅が広がるだろう。

 未完成な森がオリックスに指名されたのは幸運かもしれない。オリックスは剛腕・山下 舜平大を育てた実績がある。福岡大大濠時代の山下は150キロの速球、縦に大きく落ちるカーブで勝負する投手だったが、投球フォームは荒削り。山下に限らず、過去にプロ入りした投手を見ると、荒削りな速球派は球団の環境次第で成長に差が出やすい。山下は育てにくいタイプだと感じていたが、プロ入り後、フォームを徐々に改善させて、常時155キロ前後、パワーカーブで勝負するピッチャーへ育った。オリックスだからこそ森の才能を開花できるのではないか。山下に限らず、オリックスは多くの投手を育てており、その投手ごとに適切なアプローチが期待できる。

 森はドラフト前から「山下さんのような投手になりたい」と取材で語っていたが、オリックスに入団できたのは運命的ともいえる。

 その才能はロッテ1位の石垣元気(健大高崎)に並ぶ。常時155キロ前後を叩き出せるポテンシャルの高さはある。190センチ90キロの森は段階を追って体作りを行っていけば、2年目か3年目に一軍で先発ローテーション入りする可能性がある。

 山下は高卒3年目の23年にいきなり9勝をマークし、ブレイクを果たした。森もそんな活躍が期待できるだろう。