ドジャースで声価を高める山本(C)Getty Images 1点ビハインドの9回一死という崖っぷちの状況から試合をひっく…

ドジャースで声価を高める山本(C)Getty Images
1点ビハインドの9回一死という崖っぷちの状況から試合をひっくり返したドジャースの劇的なワールドシリーズ制覇にあって、異彩を放った山本由伸への声価は高まった。
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内容は登板毎に洗練されていった。ドジャースが連覇をやってのけた今ポストシーズンで、山本は6試合に登板して5勝(1敗)をマーク。防御率1.45、WHIP0.78、2完投と圧巻のスタッツを記録。さらにブルージェイズとのワールドシリーズでは中0日での連投を含む3試合に登板し、防御率1.02、WHIP0.68、被打率.169と支配的な投球を披露した。
短期間で37.1イニングをほぼ休みなく戦い抜いた。そんな剛腕のタフネスは米球界を仰天させ、23年12月に締結した12年総額3億2500万ドル(約495億円=当時のレート)の正当性を再評価させるものとなった。
ドジャースと契約した当時の移籍事情を知る識者からは、山本の存在を羨む声が上がった。ニューヨークのスポーツ専門局『YES Network』の名物実況で、フリージャーナリストでもあるマイケル・ケイ氏は、米スポーツ専門局『ESPN』のポッドキャスト番組で「ヤンキースは壁だったはずなんだ」と指摘。贔屓球団であるヤンキースが獲得に至らなかったことを悔やんだ。
最終的に投手史上最高額で決着がついた争奪戦。ヤンキースはその中で3億ドル(約462億円)まで提示していたとされる。いわばドジャースとの投資競争に敗れた形だった。
そうした背景をふまえて「お金は関係ないって? 本当か」と指摘。さらに「ヤマモトがやったことは素晴らしい。選手を過保護するチームが多い時代に中0日で投げる奴がいるか?」と語った上で、こう続けた。
「私はお金を使うことは問題だと思わない。でも、彼ら(ドジャース)は4人の先発との契約に総額10億ドルを使ったんだ。だから『お金は関係ない』というのは無理だ。お金は関係している。そもそもドジャースはヤマモトだけに3億ドル2500万ドルも支払っている。これは否定的なことではない。でも、彼らはカネを使っている。オオタニに7億ドルを支払い、スネルにも腐るほどの金額を与えているし、グラスノーの契約だってべらぼうに高いんだ」
山本をはじめ底なしの資金力で大型補強を繰り返してきたドジャース。球界内で「王朝」を築く彼らの強さを羨む声は尽きなそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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