カブスで実績を積み上げてきた今永(C)Getty Images 急転直下のFAから約2日。やはりカブス側は再契約に向けた…

カブスで実績を積み上げてきた今永(C)Getty Images
急転直下のFAから約2日。やはりカブス側は再契約に向けた動きを見せた。
現地時間11月6日、MLB公式サイト『MLB.com』や、米スポーツ専門局『ESPN』など複数の米メディアが、カブスが今永昇太に対してクオリファイング・オファー(QO)を提示したと一斉に報じた。
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再契約となるかが注目される。今オフの今永をめぐっては、カブスが3年総額5700万ドル(約87億7800万円)の契約延長オプションの権利を破棄すると、今永側も来季年俸1500万ドル(約22億9000万円)の単年契約締結の権利行使を拒否。これによってFAとなり、移籍市場の注目銘柄となっていた。
もっとも、カブス側にとって契約延長オプションの破棄は必然とも言えた。というのも、来季に32歳になる今永の25年成績はサイ・ヤング賞候補の5傑にノミネートされた1年目からダウン。また、オプションには全球団へのトレード拒否権なども付帯しており、ペイロールのバランスを考慮しても負担は小さくなかった。
とはいえ、カブスにとっても貴重な戦力ではある。今季の規定額である1年2202万5000ドル(約33億9000万円)であれば、今永側も納得するのではないかと踏んだのだろう。
ただ、12年にQO制度が導入されて以降、MLBで再契約を受け入れた選手はわずか14人しかいない。そのため、サイン締結となるかは不透明な情勢ではある。
仮にFA流出となれば、成績が落ち込んでいたとはいえ、カブスにとっても小さくない痛手だ。そのため、今回の契約を巡る球団幹部の判断を疑問視する声もある。
元MLBの捕手で、現役時代に通算2043安打を放った名手AJ・ピアジンスキー氏は、自身がホストを務めるYouTubeチャンネル番組『Foul Territory』において「これは正しい判断だったと思うか」と問われ、「ありえない。俺はショウタ・イマナガに3年5700万ドルの価値は十分にあると思ってる」と断言。そして、球団側の決断を糾弾した。
「イマナガのピッチングを見たら一目瞭然だ。あのピッチングに価値がないなんて言えるか? それに彼にはマーケティング面での効果も少なからずある。それは忘れるべきじゃない。だから、俺はカブスがオプションを行使しなかった理由がマジで意味が分からないよ。もっと安くできると思ったのか? 正直に言うぞ、全然理解できないね」
さらに「こんな展開は想像もしてなかった。まさにサプラーイズって感じだ」と目を丸くして驚くピアジンスキー氏は、「もしも自分がカブスの人間なら、もう実力も、人間性も優れていて、あの球場でずっといい投球をしている選手に『年間1900万ドル(約29億2600万円)の価値もない』とは言えない」と指摘した。
QO提示を拒否してFA市場に出るとなると、獲得球団がドラフトの上位指名権をカブスに譲渡しなければならないリスクも伴う。そうした情勢下で今永はいかなる決断を下すだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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