暦は11月に入り、Jリーグも最終盤へと突入。優勝争い、あるいはJ1生き残りをかけ、その戦いは激しさを増している。202…

 暦は11月に入り、Jリーグも最終盤へと突入。優勝争い、あるいはJ1生き残りをかけ、その戦いは激しさを増している。2025年のJ1は、どのようなクライマックスを迎えるのか。「ラスト3節」を前に、サッカージャーナリスト大住良之が「今後」を検証する!

■次節で「3チーム目」が決まる?

 Jリーグ1部(J1)は10月26日までに全38節中35節を終了し、残りはわずか3節となった。ただ、11月にはルヴァンカップ、代表ウイーク、天皇杯の準決勝、決勝が続き、11月8、9の両日に行われる第36節の翌節は11月30日、最終の第38節は12月6日と、非常に「まばら」な日程となる。

 すでに現時点で20位のアルビレックス新潟(勝点23)と19位湘南ベルマーレ(同26)のJ2降格が決まっている。残り1つの降格も、今季まったく調子が出なかった17位横浜F・マリノス浦和レッズ(4-0)、広島(3-0)と連勝して勝点を37に伸ばし、18位横浜FC(同32)に5差をつけた。

 数字の上では、勝点41で15位のファジアーノ岡山と同40で16位の名古屋グランパスも、まだ「残留」を確定できていないが、残り3試合で横浜FCが3連勝しても、岡山は3連敗でも、名古屋は勝点1(1分2敗)でも、いずれも得失点差での争いとなる。実質的に、「残留争い」は横浜の2クラブに絞られ、しかも横浜FMが非常に優位に立つ状況と言える。両チームの結果次第で、第36節(11月8日に横浜FCはアウェーの鹿島アントラーズ戦、翌9日に横浜FMはアウェーの京都サンガF.C.戦)で決まる可能性もある。

■まさかの結果で「2クラブ」が脱落

 優勝争いも、残り3節になってグッと絞られた観がある。10月25、26日の両日に開催された第35節のビッグカード「京都×鹿島」で、鹿島が後半アディショナルタイム6分、まさに最後のワンプレーでFW鈴木優磨が同点ゴールを決め、1-1の引き分けに持ち込んだことは、優勝争いに大きな意味を持つことになるかもしれない。京都が1-0のまま押し切っていれば、鹿島は柏に勝点66で並ばれ、得失点差も鹿島が23、柏が22と、文字どおり僅差となるところだった。

 それだけでなく、京都も上位2チームから2ポイント差の勝点64、得失点差23となり、残り3節は混沌とした状況になるところだったのだ。さらに、これらのチームを追うヴィッセル神戸も、すでに降格が決まっていた新潟を相手に2-0から終盤に2失点して2-2の引き分けで終わっていなかったら、勝点64、得失点差16ないし17と、「優勝争い」に生き残っていたはずである。

 この第35節では、広島が横浜FMに0-3で敗れる「波乱」もあった。この結果、広島は勝点59のままで鹿島と「8差」となり、実質的に脱落となった。6位につけて数字の上では可能性を残していたFC町田ゼルビアは、浦和と0-0で引き分けたことで勝点57となり、完全に優勝争いの圏外となった。

■特筆すべきは「柏3バック」の安定感

「波乱の第35節」のなかで唯一、着実な結果を得たのが、2位の柏だった。ホーム三協フロンテア柏スタジアムでの横浜FC戦。相手は「降格圏」の18位とはいえ、7月に就任した三浦文丈監督が堅固な守備からの速攻という実戦的なチームにまとめ、この試合でも自陣に緻密な守備ブロックを築いて柏のパス攻撃を押し返しながらカウンターを狙うサッカーを徹底した。最終ラインからビルドアップする柏にとっては、危険極まりない相手だった。

 しかし、この相手でもリカルド・ロドリゲス監督は「スタイル」を貫いた。最終ラインとボランチでパスをつなぎながら相手を押し込み、隙を見つけると果敢に縦パスを入れて崩しにかかった。そして横浜FCの密集守備に引っかかっても、鍛えられた攻守の切り替えで相手を追い詰め、正確なロングパスを許さなかった。

 特筆すべきは、DF古賀太陽を中心に、右にDF原田亘、左にDF三丸拡が並んだ3バックの安定度だった。立ち上がりの10分間ほどは横浜FCのロングパス攻勢にクリアがやっとの状態だったが、残り時間はほぼ危険な状況をつくらせなかった。なかでも古賀の1対1の強さと安定感は抜群で、7月のE-1選手権で自ら証明したように、今すぐ日本代表に選ばれても十分戦力になるレベルにあると感じさせた。

 そして後半27分、横浜FCのボールへの圧が少し下がったと思った瞬間、交代出場のMF山田雄士が低いミドルシュートで先制、同31分には「特別指定」のMF山之内佑成(東洋大学)が右から持ち込んで放った左足シュートのリバウンドを、同点ゴールの山田と同様に交代出場だったMF仲間隼斗が叩き込んで勝負を決した。

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