（2日、秋季高校野球近畿地区大会準決勝 神戸国際大付7―1大阪桐蔭） 大阪桐蔭が6点を追う九回1死一塁で、3番内海竣太…
（2日、秋季高校野球近畿地区大会準決勝 神戸国際大付7―1大阪桐蔭）
大阪桐蔭が6点を追う九回1死一塁で、3番内海竣太（2年）は一塁へのゴロを打った。
一塁手が処理に手間取る間に、頭から一塁へ滑り込んだ。
「普段はヘッドスライディングはしないんですけど、きょうは気持ちでいきました」
これが相手の失策を呼び、チャンスを広げたが、後が続かず、ゲームが終わった。
両チーム通じて、走者が出なかったのは、四回の神戸国際大付の攻撃のみ。大阪桐蔭は相手と同じ8安打を放ちながら、打線がつながらなかった。
「チャンスでの一本がなかなか出なかった。持ち味にしている後半の粘り、そこでの強さが出なかったんで、課題かなと思う」。内海は言った。
相手の先発は、近畿大会で登板がなかった右腕だった。情報がなく、バットをどんどん振ってタイミングを合わせようとしたが、チームとしてうまくいかなかった。
そんななか、旧チームから中心となってきた内海は意地を見せた。
左打席からの逆らわない打撃で2安打1四球。失策での出塁も入れると4出塁だ。第1打席は2死から四球を選び、第4打席では2死からヒットを放って、しぶとさを見せた。
「前のバッターの結果どうこうは気にせず、自分の打席では攻撃を絶対に終わらせない。簡単にはアウトにならない。去年から心がけている、その意識が結果につながった」
近畿大会3試合で6安打を放ったが、西谷浩一監督は「前のチームから出ている選手なので、もっともっとやってもらわないと困る。要求は内海には高いですけど、チームの中心。マークはきついですが、しっかりやってもらいたい」と話した。
内海も「思いは西谷先生と同じです」と語った。
広島市出身。父は社会人野球の東芝でプレーした。2人の兄とともに、内海も自然と野球を選んだ。特に四つ上の兄は、東京六大学の明大で秋季リーグ戦優勝に貢献し、明治神宮大会に進んだ。
この近畿大会で優勝すれば、兄と同じ神宮の舞台に進むことができたが、かなわなかった。
「春につなげる戦いはできた。攻守で課題をしっかり修正していきたい」
主軸としての責任感を漂わせた。（土井良典）
