(25日、秋季四国地区高校野球大会準決勝 阿南光6―5藤井) 「野球のまち」を市が掲げる徳島県阿南市の阿南光が四国大会…

 (25日、秋季四国地区高校野球大会準決勝 阿南光6―5藤井)

 「野球のまち」を市が掲げる徳島県阿南市の阿南光が四国大会決勝へ進み、2年ぶりの選抜出場に前進した。

 2024年春には、吉岡暖(はる)投手(横浜DeNAベイスターズ)を擁し、選抜大会でベスト8入りした。

 再び甲子園へ。この日の準決勝で力投したのは、チームで「リトル吉岡」と呼ばれるエース小田拓門(2年)だった。

 180センチの身長から最速は137キロながら、角度のある直球とスライダー、カーブ、チェンジアップを低めに集める。

 この日は「上体が浮いてしまった」と、高めに甘く入り、13安打を許して5失点。延長タイブレークの十回裏途中で降板した。

 それでも高橋徳監督が「7、8点取られてもおかしくなかったが、よく我慢した」と言うように、一回の満塁のピンチを最少失点で抑え、九回の1死一、二塁の危機もしのぐなど、傷口を大きく広げなかった。

 「足を上げるタイミングを遅くしたり、高めに浮いた直球を修正しようと、いつもよりたくさんカーブを投げたりした」と小田。もがきながら投げ続けた。

 振りが鋭い藤井打線を前に苦しむなか、助けになったのが、試合の数日前に即席で覚えたツーシーム。左打者の外角に小さく沈む。高橋監督が「藤井の打者は強い球より少し遅いボールに三振していた」と分析。小田に投げるよう提案していた。「投球の幅が広がった」と小田。

 十回裏、無死一、二塁から相手のバントを防いで1死を取ったところで降板した。後続を断って勝利した仲間たちにベンチで「すまん」と謝っていたが、試合を通じ、厳しい投球でも下を向いたり、悩んでいる様子を見せたりはしなかった。

 「表情に出すと崩れてくるので、いつもどおり、打たれても要所で抑えればいいと切り替えた」

 昨春の選抜での阿南光の活躍は、小田の入学直前のこと。甲子園のスタンドで全試合を見たという。

 その後、1年間だけではあったが、下級生として吉岡ら先輩の姿を見つめてきた。

 「吉岡さんは試合を支配する投球をして、みんながそれについていく感じだった。自分もそうなりたい」

 高橋監督は小田について、「身体能力は吉岡の方がはるかに上ですけど、ゲームメイクする力や修正力は負けていない。直球がホップするので、ベース板の周りの球威もある。のほほんとしているけど、試合ではポーカーフェースでたのもしい」と評価する。

 小田も吉岡同様、阿南市の出身。「野球のまちの学校というのは意識していますし、甲子園も、神宮も行くと言い続けてきたので、まだまだ通過点」と、決勝を見すえていた。(土井良典)