(18日、プロ野球クライマックスシリーズ最終ステージ 北海道日本ハムファイターズ9―3福岡ソフトバンクホークス) 崖っぷ…

(18日、プロ野球クライマックスシリーズ最終ステージ 北海道日本ハムファイターズ9―3福岡ソフトバンクホークス)

 崖っぷちには変わりないが、日本ハムが明らかに息を吹き返した。その中心にいるのがレイエスだ。

 「とにかく何があってもポジティブでいることだ。高いモチベーションを持って試合に臨むことができている」

 うなずきながら振り返ったのは三回だ。同点に追いつき、なお1死三塁のチャンス。初球の浮いたフォークを完璧に捉えた。「気負いすぎず、内野の頭を越える意識で打った」と振り返った中越えの3号勝ち越し2ラン。試合の流れを一気に引き寄せた。

 レイエスは感情表現が豊かだ。例えば、判定に不満があると、すぐに顔に表れる。喜怒哀楽の激しさが、自らの打撃を左右することも多い。

 「ベンチに戻るときに、ボス(新庄監督)と目が合うときがある。『笑おう』というジェスチャーを送ってくれるんだ」。それで我に返ることもあった。大リーグ6年で計108本塁打と技術は折り紙付き。課題のメンタルが安定すれば手がつけられない。

 4点リードの七回2死三塁では左翼テラス席にダメ押しの4号2ランを放った。これでCS最終Sは4試合で15打数8安打の打率5割3分3厘。4本塁打で6打点と、まさに大暴れだ。

 本塁打、打点のリーグ2冠の主砲に引っ張られた打線は14安打9得点。八木打撃コーチは「水野も2安打だし、『これはちょっと(打てない)』という選手がどんどん消えている。プラス材料だ」

 16日の第2戦で敗れた直後に新庄監督は言った。「ここから四つ勝ったらドラマが起こる」。

 そんな予感が漂い始めた。(鷹見正之)

■先発の北山「安心して投げられた」

 北山(日) 7回3失点と試合を作り、打線の大量得点を演出した。「安心して投げられた、野手に感謝です。チームが勝って何より」

 水谷(日) 四回に1号ソロ。CS初本塁打が、かつての本拠での初アーチとなり「ここで打つためにプロでずっとやってきた。また一歩進めたなという気持ちです」。