10月18日(土)・19日(日)、25日(土)・26日(日)の4日間、愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムと今治市営球場で…

10月18日(土)・19日(日)、25日(土)・26日(日)の4日間、愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムと今治市営球場で行われる「令和7年度(第78回)秋季四国地区高等学校野球大会」。来年のセンバツ四国地区一般枠「2」選出へは決勝戦進出が必須とされる中、各県大会2位校と同3位校が対戦する大会初日の1回戦4試合から白熱した戦いが期待される。

 そのうち、坊っちゃんスタジアムでの第2試合・土佐(高知2位)vs海部(徳島3位)の一戦は今大会の最注目カードにあげられるだろう。土佐は10年ぶり17度目の出場、海部に至っては統合校の1つ・日和佐が初出場(他に海南が3回・宍喰商が1回出場)した1977年・第30回大会以来48年ぶり6度目の出場という出場ブランク校同士の対戦ということもさることながら、両校のチームカラーも実に特徴的だ。

 過去、春8回・夏4回の甲子園出場。春夏一度ずつの全国準優勝も経験している古豪・土佐は、2023年4月に元東京大学硬式野球部監督を務めた濵田 一志監督が校長に就任以降、野球部の強化に着手。

 伝統の「文武両道」「全力疾走」は継承しつつ、監督には土佐OBで慶應義塾大でも六大学リーグ戦30試合出場の金田 将賢監督が就き、「1番・投手」には神田Rebaseポニー出身で168センチ67キロの小兵ながら最速138キロ&一塁駆け抜けタイム4秒切りの俊足が光る馬場 創志(2年)が座るなど、タレントの強みを活かす歩みを進めてきた。

 結果、この秋の高知県大会では準決勝で、今夏甲子園出場の高知中央を馬場の完投により2対1で撃破。明徳義塾との決勝戦では2対4で敗れたが「自分たちのゲームができればどことでも勝負できる」(金田監督)手ごたえを得て2016年以来、9年ぶりのセンバツを見据える。

 一方、海部を率いるのは就任3年目・日和佐OBの杉本 泰彦監督。捕手として東洋大~日本通運で活躍した後、日本通運・西部ガス・東洋大、さらにアマチュア日本代表で監督を歴任。日本通運では大塚 晶文(現:中日ドラゴンズコーチ)、東洋大では千葉ロッテマリーンズ・佐藤 都志也(聖光学院)、横浜DeNAベイスターズ・石上 泰輝(徳島商)を指導するなど輝かしい指導実績を持つ66歳は「選手たちが勝ち取った四国大会だから、緊張を理解して具体的に、腑に落ちるアプローチをしたい」と選手たちのサポートを誓う。

 タレントも豊富だ。特に「3番・中堅手」の天見 海聖(1年)は185センチ90キロの大型右スラッガーで走攻守バランスに優れ「宝物」と指揮官も絶賛する住吉ボーイズ出身の逸材。秋季県大会こそ登板はなかったものの、185センチ83キロの大型左腕・大家 瑠偉(1年・神戸球友ボーイズ出身)も「ブレイク・スネル(MLBドジャース)を参考にしている」豪快なフォームから最速137キロを投じる。

 実に特徴的な両校がまずは秋季香川県大会初優勝・藤井への挑戦権をかけて闘う一戦。タレントたちの躍動。指揮官の采配含め、ぜひ注目してほしい。