内容も苦しい打席が続く大谷。目に見える結果を出せない日々を送る偉才だが、二刀流を言い訳にはしなかった(C)Getty I…

内容も苦しい打席が続く大谷。目に見える結果を出せない日々を送る偉才だが、二刀流を言い訳にはしなかった(C)Getty Images

 果たして、深刻な不振をどう捉えているのか。現地時間10月15日に行われた記者会見に登場した大谷翔平(ドジャース)が私見を口にした。

 どうにも偉才のバットから快音が聞こえない。フィリーズとの地区シリーズでは18打数1安打の打率.056と、不振を極めた大谷は、ブルワーズとのリーグ優勝決定シリーズでも低調なパフォーマンスに終始。ここまで打率.143(7打数1安打)、3三振、OPS.543と猛打は鳴りを潜めている。

【動画】豪快に長打を放つ!注目を集めた大谷の屋外でのフリー打撃シーン

 ワールドシリーズ連覇にまで駆け上がった昨季は、リーグ優勝決定シリーズでは打率.364、2本塁打、OPS1.184と打ちまくっていた。それだけに今ポストシーズンで続く打撃不振は、米メディア内でも「異変」という見方をされ、何かとクローズアップされている。

 もっとも、指揮官からも「このままではワールドシリーズで優勝することはできない」と発破をかけられる当人に心の乱れは見られない。15日の会見では、大勢の記者陣から「初めてポストシーズンに臨む投打二刀流が打撃に影響を与えているのではないか」と見解を問われる内容の質問を繰り返しのように受けたが、「体感的にはそうではないなとは思ってます」「あまり関係がないのかな」と説き伏せた。

 あくまで二刀流によって生じる負担は不振の原因にあらず――。そう考える大谷は、米紙『Orange County Register』などの取材に、こうも切り返している。

「逆に言えば、去年は(自分にとって)サンプルの少ないDHだけで臨んだシーズンであるので単純な比較はできない。ただ、もちろん、(二刀流を)やらないより、やっている方がきついっていうのは、シーズン中も同じことではあると思うので。基本的には、打撃に関しては自分の思っている構え方であったりとか、技術的な部分がしっかりしていないと、なかなか結果に結びつくっていうのは難しい作業ではある。ピッチングは、もちろん自分がやることをしっかりやれば、いい結果が生まれてくるっていう可能性が高いので。(二刀流の影響は)あまり関係ないのかなとは思ってます」

 さらに「自分に対して左投手を多く起用するのは戦略的に理にかなっていると思う」とも分析する大谷は、「とにかく質の高い打席をこなすことが自分のやるべきこと」と強調。目先の結果よりも内容を重視する姿勢を明らかにした。

 以前から「メンタルを言い訳にしたくはないので、そこを含めて技術だと思ってます」と語り、技術力を磨き上げてきた。そんな超一流スラッガーが極度の不振をいかに乗り越えるかは、興味深く見守りたいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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