ドジャース首脳陣の期待に応える快投を見せた山本。そのパフォーマンスに対する賛辞は尽きない(C)Getty Images …

ドジャース首脳陣の期待に応える快投を見せた山本。そのパフォーマンスに対する賛辞は尽きない(C)Getty Images

 大舞台で証明された“真価”に評価は天井知らずで高まっている。

 現地時間10月14日、ドジャースの山本由伸は、敵地で行われたブルワーズとのナ・リーグ優勝決定シリーズ第2戦に先発登板。9回(111球)を投げ、被安打3、1失点、7三振、1四球の内容でメジャー初完投を達成し、チームのシリーズ連勝に貢献した。

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 まさにエースの投球だった。初回こそ先頭打者のジャクソン・チョウリオに右中間への先制ソロを浴びて出鼻をくじかれた山本だったが、そこからはブルワーズ打線を圧倒。コーナーを突いた力強い組み立てを軸にした投球で得点圏への出塁を許さず。最後まで付け入る隙を与えずに淡々とアウトを重ね、9回を一人で投げ抜いた。

 ブルワーズ打線をねじ伏せた山本の鬼気迫る投球には、バックを守った同僚たちも称賛の言葉を並べた。米メディア『The Athletic』で「ヤマのことを本当に誇りに思う」と語ったのは、この日に左翼を守っていたキケ・ヘルナンデスだ。

 入団時から山本を気にかけてきた34歳は「彼は違う国、違う言語、違う文化……、本当に何もかも違う世界に来たんだ。周囲の期待も重くのしかかる中、自分自身に過度のプレッシャーをかけてしまうのは容易なことだったと思う」と回想。その上でポストシーズンに入っても快投を続ける姿を、エモーショナルに称えている。

「多くの人が、ヤマが日本で成し遂げた偉業のあまりに、どれほど若かいのかを忘れてしまっている。『ベテラン』と呼ばれるぐらいの存在感を放っているけど、彼がメジャーにやってきたのは25歳に過ぎなかった時だ。それでもたった1年でこれほどの成長を見せ、2年目にさらに進化を遂げている。本当にただただ驚かされるばかりだ。こいつは本当にどんどん強くなっていくんだなと思う」

 また、ポストシーズン前に山本が周囲に言い放っていた“ある言葉”を振り返るチームメイトもいる。35歳のベテラン野手であるマックス・マンシーは、「これまで見た中で、いまが一番落ち着いているのは確かだ」とし、こう証言している。

「ポストシーズンが始まる前に、『先発陣がチームを牽引する』と言っていたけど、今のところはそうなっているね。ヤマモトのことを知れば知るほど、まだまだ伸びしろがあると確信している。彼自身も自分に伸びしろがあると思っていると思う。今年の彼の活躍は本当に素晴らしいし、チームで最も信頼できる選手になった。あの投球スタイル、打者への攻め方、投げられる球数、そして球数を抑えられる投球、すべてが本当に素晴らしいよ。本当に、本当に感銘的だ」

 チーム内で誰からも信頼を置かれ、ここぞの場面で登板機会も与えられる。今の山本は、まさしくドジャースのエースになったと言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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