藤川監督は再び柔軟なタクトで選手の背中を押した(C)産経新聞社 「2025 JERA クライマックスシリーズ セ」のファ…

藤川監督は再び柔軟なタクトで選手の背中を押した(C)産経新聞社

 「2025 JERA クライマックスシリーズ セ」のファイナルステージ(S)第1戦が10月15日に甲子園で行われ、リーグ王者の阪神が2位のDeNAに2-0の完封勝利。

【CSファイナル解説】阪神が接戦もCS初勝利『打てなくても勝ち切る真の強さ』DeNAは6番山本の打順の変更が必要?日本ハムがレイエスの同点打もサヨナラ負け!玉井の悔やまれる一球を解説…【プロ野球】

 アドバンテージの1勝とあわせて、2勝0敗とした。粘り強く投げた投手陣に加え、6回にはビッグプレーも飛び出した。
 
 0-0で迎えた6回、先頭打者の近本光司が先発左腕の東克樹のシュートを捉え、内野安打で出塁。その後、中野拓夢もしっかり初球に送りバントを決め、一死二塁の形を作る。

 その後、3番・森下翔太の打席の初球だった。

 東が打者との勝負に集中する中、二走の近本光司が鮮やかにスタートを切り、三塁を陥れる。試合が緊迫する中で飛び出したビッグプレー。その後、森下に中前適時打が飛び出し、先制。二死一、三塁から途中出場の小野寺暖にも右翼線へ適時打が飛び出し、貴重な2点を奪った。

 6回の攻防に関しては球界内からも考察の声が上がっている。

 現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチを務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は10月15日に自身のYouTubeチャンネルに「【CSファイナル解説】阪神が接戦もCS初勝利『打てなくても勝ち切る真の強さ』DeNAは6番山本の打順の変更が必要?日本ハムがレイエスの同点打もサヨナラ負け!玉井の悔やまれる一球を解説…【プロ野球】」と題した動画を更新。セ・パのCSファイナルSの戦いの内容に独自の考察を加えている。

 高木氏は同試合に関して、DeNA側も再三のチャンスがありながら、得点に結び付けられなかったとしながら、阪神は6回の得点シーンに目を向けた。

 一死二塁から、森下翔太の打席の初球で三盗を決めた近本光司の勇気を称えながら、2点目につなげていくシーンもクローズアップ。

 森下の適時打で1点を先制、さらに一死一塁から主砲佐藤輝明のセンターへのポテンヒットで一死一、三塁の形を作る。

 森下はここで三塁まで進む好走塁が光ったが、その後、大山悠輔の三ゴロでも、三本間の挟殺プレーで粘り、佐藤輝を三塁に進める好走塁があった。 

 この場面に関して高木氏も「一、三塁のなりかたも森下の思い切りだね」と佐藤輝の安打で三塁まで進んだ森下の好判断を評価。その後、大山の三ゴロで森下が挟殺プレーで粘り、佐藤輝が三塁に進んだシーンに関しても「(DeNAは)佐藤を二塁に留めておかなくてはいけなかった」とコメント。

 阪神がチームプレーで一つ先の塁へと意識が高かったことに加え、このイニングでは近本が三盗を決めたこともあり「裏を返せば、DeNAの甘さじゃないか」と敗れたDeNA側はわずかなスキがあったと指摘した。

 レギュラーシーズンを圧倒的な強さでゴールを切った阪神では試合が空くことから、ゲーム勘が開幕前には危惧されたポイントだった。  

 この点に関して高木氏は「ゲーム勘なくても自分たちの強みで勝ってこれた」と評価。

 具体的には、6回の場面でも先頭の近本が塁に出ると、2番の中野が送りバントをしっかり決める。また阪神が誇る救援陣、6回から投入した及川雅貴、石井大智、岩崎優に関しても徹底的に低めに制球を集め、打者につけ入るスキを与えなかったとした。

 阪神本拠地の甲子園開催と地元ファンの熱い声援も力になったとした上で「点取れなくても何かこじあけてくる」と、ベンチ含めてチームが一体になっているとした。

 逆に2敗となったDeNA側は得点圏で3度の凡退となった6番打者、山本祐大の打順を考える必要があるとした。

 再び戻ってきた藤川阪神の力強さにDeNAがどう挑んでいくのか。CSファイナルS第2戦の内容も注目を集めていきそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


【動画】飛び出したビッグプレー!勝敗を分けた近本の三盗シーン

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