将来性も備えた立石は確保したい人材だ(C)産経新聞社 クライマックスシリーズではファーストステージでDeNAに敗れ、また…

将来性も備えた立石は確保したい人材だ(C)産経新聞社

 クライマックスシリーズではファーストステージでDeNAに敗れ、またしても日本シリーズ進出を逃した巨人。早くも国内FA権を取得した柳裕也(中日)や日本球界復帰が噂される前田健太(ヤンキースマイナー)の獲得調査に動くという報道も出ているが、それ以上に気になるのがやはり主砲の岡本和真の去就だ。

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 今シーズンも岡本が怪我で長期離脱したことが阪神と大差をつけられた大きな要因の一つであり、メジャー移籍となれば大幅な戦力ダウンとなることは間違いない。その穴をドラフトで埋めるのはもちろん簡単ではないが、そうなるとやはり真っ先に狙いたいのは今年最大の目玉である立石正広(創価大・内野手)になるだろう。

 長打力は近年の大学生選手では佐藤輝明(阪神)と匹敵するレベルであり、ショート以外の内野と外野も守れるというのも強みである。すでに広島が1位指名を公言しているが(10月15日時点)、まずは競合覚悟で指名するのがチーム復権の第一歩となるだろう。

 立石で抽選を外した時に残っていればぜひ狙いたいのが松下歩叶(法政大・内野手)だが、単独指名を狙う球団が出てくる可能性も高い。そうなると野手にこだわらずに投手に切り替えるというのも選択肢の一つだろう。

 若手も含めて左の先発候補が少ないことを考えると、外れ1位候補としておすすめしたいのが毛利海大(明治大・投手)だ。高校時代から高い制球力と投球術には定評があったが、この1年でストレートのスピードがアップしたことで一気に投球に凄みが出てきた。フォームに悪い癖がないのも魅力で、試合を作る能力の高さは大学球界でも屈指の存在である。

 同じ左腕では毛利とは真逆のタイプで安定感には課題が残るものの、山城京平(亜細亜大・投手)もボールの力は圧倒的なものがあり、好調時は圧巻の投球を見せるだけに現在のチームにいないタイプの左腕として面白い存在となりそうだ。

 1位で投手ということになった場合は2位では野手を狙いたいが、残っていればぜひ狙いたいのが谷端将伍(日本大・内野手)だ。3年時には全国トップのレベルの高さを誇る東都一部で春秋連続で首位打者に輝くなど、広角に鋭く打ち分ける打撃が光る。また176センチ・76キロと決して大柄ではないが、リストの強さと身体を鋭く回転させるスイングで軽々とスタンドに運ぶ長打力を備えているのも魅力だ。立石と比べると打者としてのスケールは少し落ちるものの、ホームランの出やすい東京ドームが本拠地ということを考えれば、将来的には20本塁打以上も十分に期待できるだろう。

 野手では山瀬慎之助よりも若い世代に捕手がいないため、高校生の捕手もぜひ狙いたい。評価が高いのはU18侍ジャパンにも選出された大栄利哉(学法石川)だが、下位で狙えそうな選手として挙げたいのが岡村了樹(富島・捕手)だ。

 173センチと上背はないものの地肩の強さとパンチ力は高校生では間違いなく上位で、昨年11月に行われた宮崎県選抜と鹿児島県選抜の試合では広いサンマリンスタジアムのレフトスタンドに叩き込んでその長打力をアピールした。サードを兼任しているだけあってフットワークも良く、順調に成長すれば梅野隆太郎(阪神)のようなキャッチャーになる可能性を秘めている。今年はどのカテゴリーも捕手の候補が少ないだけに他の球団もマークしていると思われるが、5位で残っていればぜひ獲得を検討してもらいたい。

[文:西尾典文]

【著者プロフィール】

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。

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