全国の高校生が生け花日本一を目指す「Ikenobo 花の甲子園2025」(池坊華道会主催)の東海大会で、県立岐阜商業高…

 全国の高校生が生け花日本一を目指す「Ikenobo 花の甲子園2025」(池坊華道会主催)の東海大会で、県立岐阜商業高(岐阜市)が優勝した。東海代表として11月に京都市で開かれる全国大会に3連覇を目指して出場する。

 全国137チームが参加し、7月~9月に全国12カ所での地区大会とリモート大会があった。東海大会は9月13日に名古屋市で開かれ、11チームが出場。県岐阜商からは茶華道部の加藤心和(みか)さん(2年)、福田姫来(きら)さん(1年)、細野妃音(ひなり)さん(1年)のチーム「花むすび」が参加した。

 それぞれ1人1作、計3作を30分以内に生けるのがルール。その後に審査員に作品の説明などをするプレゼンテーション(3分間)も採点の対象だ。

 地区大会のテーマは「“はな”をいかす」。4月にチームを結成し、5月ごろから練習を積み重ねてきた。

 福田さんと細野さんは高校で華道を始めた。元々関心があり、「茶華道部があることも県岐阜商を選んだ理由の一つ」という福田さんが中学からの友人の細野さんを誘って入部。「花の甲子園などで全国で活躍していると知って頑張ろうと思いました」(福田さん)。大会出場を目指していたリーダーの加藤さんとトリオを組んだ。

 初心者だった福田さんと細野さんには、先輩の加藤さんが花の名前やハサミの持ち方を一から教えた。

 「早く覚えてもらおうと、一気に教えてしまってこんがらがっちゃったことも」と加藤さん。それでも2人は徐々に実力を付けていった。

 大会では、チームが持ち込む花材1種類に加え、大会側が指定する花材を使う。ただ、指定の花材や数は当日まで明かされない。そのため、どんな花材にも対応できるように、先輩から受け継いだ過去の大会のデータを参考に、多種多様な花材の扱いをマスターしたという。

 本番で大会が指定した花材は、チームが扱いを得意とするヤツデと、予想していたヒマワリが含まれていた。

 直前の練習まで、30分の制限時間をオーバーしてしまう状態だったが、本番では練習の成果を発揮し、時間に余裕をもって生けることができたという。

 続くプレゼンでは、終了と同時に「拍手が大きく聞こえてうれしかった」と福田さん。顧問の小川聡子教諭は「審査員から『雰囲気が良く、すごく楽しそうに生けていた』とほめていただいた」と振り返る。

 審査の結果、2位の大垣東(岐阜)や3位の豊川(愛知)を抑えて3年連続の東海代表に輝いた。

 強豪13チームが参加する全国大会まであとわずか。「3連覇が目標ですが、全部出し切ったと言えるようにそれまでの道のりを大事にしたい」(加藤さん)、「チームワークを大切に、自信を持って大会に挑めるよう一生懸命練習したい」(福田さん)、「学校でのお稽古からしっかり本番につなげて成果を出せるよう3人で頑張っていきたい」(細野さん)と意気込んでいる。

 大会の詳細はウェブサイト(QRコード)で把握できる。(高原敦)