長野久義の引退会見には超異例の53人もの選手らが駆けつけた 巨人・長野久義外野手が14日、東京都内で引退会見に臨み、16…

長野久義の引退会見には超異例の53人もの選手らが駆けつけた

 巨人・長野久義外野手が14日、東京都内で引退会見に臨み、16年間の現役生活にピリオドをうった。会見のラストには坂本勇人内野手や田中将大投手ら計53人が登場した。人望を示す規格外の人数となったわけだが、記者自身も長野の人柄に触れた忘れられない経験がある。

 引退会見には選手だけでなくスタッフ、コーチ陣も駆けつけ花道を飾った。壇上には上がりきれないほどだった。“サプライズ軍団”を代表して、選手会長の大城卓三捕手は「16年間おつかれさまでした。引退会見にこれだけの人が集まるということは長野さんの人柄で、長野さんが大好きだから。まずは体を休めて、今後に備えてください」などと言葉を送った。

 温かい光景を見て、記者もまさに長野の人柄に触れた瞬間を思い出した。昨年の宮崎春季キャンプでの出来事だ。昼休憩中、ひなたサンマリンスタジアムで食事をしていたとき、同じ現場にいた先輩記者から着信があった。

「長野さんが呼んでいるから一塁ベンチ裏に来て!」。いきなりすぎて、なんのことか分からなかった。「長野さん? ジャイアンツのですか? 自分は面識ないですよ!?」と伝えても「いいから、長野さんが待っているからすぐに来て!」。

 いったい、何事か。食事を切り上げて慌てて一塁ベンチ裏へ向かった。数分後に走って到着すると、本当に長野が「来た、来た!」と大きな声で“歓迎”してくれた。

 わけもわからない流れで挨拶をさせてもらったが、その横にいたのは巨人の湯浅大内野手だった。実は記者の名前も「湯浅大」。長野は署名記事を目にしたことがあるのか、後輩と同姓同名の記者がいることを知り、対面させてみたかったのだという。

 私の名刺や取材パスに記されている名前をみて「本当だ!」と長野は大喜び。私自身も会ってみたかった同じ名前の選手と会うことができた。少しだけ世間話をさせてもらったあと「コイツ、めっちゃ頑張っているからよろしくお願いします! 気にかけてあげてくださいね」。初対面ながら“壁”もなく接してくれたベテランに嬉しい気持ちになった。仲間から愛される理由を垣間見ることができた。(湯浅大 / Dai Yuasa)