きこえない・きこえにくい選手の国際大会・第25回夏季デフリンピック東京大会(朝日新聞社協賛)が11月15~26日に開か…
きこえない・きこえにくい選手の国際大会・第25回夏季デフリンピック東京大会(朝日新聞社協賛)が11月15~26日に開かれる。身体、視覚、知的障害の選手が参加するパラリンピックには聴覚障害の枠が設けられていないため、聴覚障害のある選手にとって最大のスポーツイベントで、日本初開催だ。デフリンピックとはどんな大会なのか。
デフ(Deaf)とは英語で「耳が聞こえない」という意味で、五輪・パラリンピックと同じく4年に1度開催される。
1924年にフランス・パリで「世界ろう者競技大会」が開かれたのが始まりで、パラリンピック(60年~)より古い。冬季は49年のオーストリア・ゼーフェルト大会から続いており、その歴史は夏季24回、冬季20回を数える。
2001年からは「デフリンピック」に改称した。日本での開催は今回が初めてで、27カ国目の開催国となる。
■聴覚以外、ほぼ五輪と同じルール
出場資格の一つは、「補聴器などを着けずに、聞こえる最も小さな音が55デシベルを超えていること」。一般に50デシベル程度とされるエアコンの室外機や換気扇の音が聞こえないレベルだ。
プレーの公平性を保つため、競技中は補聴器などの使用は認められていない。ほかは五輪とほぼ同じルールで実施される点が、他の障害者スポーツとの大きな違いだ。
このため、デフリンピックと五輪の両方に出場する選手もいる。南アフリカのテレンス・パーキン選手は、デフリンピック4大会の競泳などで多くのメダルを獲得したほか、シドニー五輪でも銀メダルに輝いた。
風の音や打球音などが聞こえないだけでなく、耳は体のバランスを保つ重要な器官であるため、聴覚障害は平衡感覚にも影響を与えるとされる。チーム競技では、仲間との手話やアイコンタクトでのコミュニケーションも重要な要素となる。