【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆血統で振り返るスワンS【Pick Up】オフトレイル:1…

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆血統で振り返るスワンS

【Pick Up】オフトレイル:1着

 イギリス生まれの外国産馬。レモンポップと同じくゴドルフィンが所有する外国産馬です。

 父ファーは、ピヴォタル→ポーラーファルコン→ヌレイエフとさかのぼる父系に属しています。現役時代に英チャンピオンS(G1・芝10ハロン)とロッキンジS(英G1・芝8ハロン)を勝ちました。2代父ピヴォタルは、仏リーディングサイアー2回のシユーニの父であり、英愛ブルードメアサイアーランキングで3回首位に立ったこともある名血です。

 母ローズトレイルは不出走馬ですが、その兄弟にベニシオ(豪G1ヴィクトリアダービー)をはじめ3頭の重賞勝ち馬がいる良血です。

 ピヴォタルの父系で、デインヒルを抱え、ヌレイエフのクロスを持っているという配合構成は、ヨーロッパでG1を4連勝したパディントンとよく似ています。

 スワンSはダンジグと相性が良く、スタンド改修後に京都競馬場で行われた3年間で、連対した6頭がすべてダンジグを持っています。そのうち4頭はダンジグの息子デインヒルを持っています。スピードの持続力を強化する働きがあるので、それが1400mのスワンSと合うのでしょう。

◆血統で振り返るアイルランドT

【Pick Up】ラヴァンダ:1着

 父シルバーステートは、今年はすでにランスオブカオスがチャーチルダウンズCを、セイウンハーデスがエプソムCを勝っており、これが3頭目の重賞勝ち馬となります。通算6頭目。これらはすべて種付け料が安かった時代(80〜150万円)の仔なので価値があります。現2歳は600万円の世代。種付け料とともに繁殖牝馬のレベルも上昇しているので、いずれ多くの活躍馬が出てくるはずです。

 2代母ゴッドインチーフは阪神3歳牝馬S(現阪神JF)の3着馬。牝系をさかのぼるとファーガーズプロスペクトに達しますが、このファミリーは他にオークス馬ヌーヴォレコルト、JBCクラシックを勝ったミューチャリーなどを出しています。

 母方に含まれるダンジグとロベルトは父と相性良好。母の父ベーカバドは種牡馬としてはもうひとつでしたが、ブルードメアサイアーとしてはJRAで出走したわずか22頭から、ラヴァンダ、ジュンウィンダム、シュラザックなどの活躍馬が出ています。「母の父ベーカバド」はこれからも活躍馬が出てくるはずなので注目です。