10月23日に控える今年のドラフト会議。強打の捕手としてドラフト候補にあがるのが、幸福の科学学園・ユニオール・エルイン・…
10月23日に控える今年のドラフト会議。強打の捕手としてドラフト候補にあがるのが、幸福の科学学園・ユニオール・エルイン・ヌニエス・ジャケス捕手だ。高校通算7本塁打だが、185センチ93キロと恵まれた体格を持っている。ベンチプレスは105キロ、デッドリフトに至っては185キロを持ち上げるパワーを秘めている。
守備では二塁送球は最速1.88秒を記録する。強肩強打の捕手として、将来性豊かな逸材である。
戸惑いしかなかったキャッチャー転向
ユニオールは母国・ドミニカ共和国から留学してきた時点ではキャッチャーだったわけではない。本格的に始めたのは2年生の夏から。まだ1年ほどしか経験がない。
「毎日練習して、筋トレもやった」ことで鍛えられた強肩は遠投100メートルを超える。これを生かすべくキャッチャーになったわけだが、プレー以外にもやるべきことは多い。配球はもちろん、野手への指示出しやサインプレー。どのポジションよりも細かな動きが多い。
日本野球にとって最も大事なポジションに転向したことは、ユニオールにとって苦労の連続だった。
「ドミニカは日本ほど細かい野球をやりません。例えばピッチャーなら、日本だと変化球やコントロールが大切だけど、ドミニカは球速を意識しています。とにかくパワー野球なので、初めて来たときは投内連携とかサインプレーにビックリしました。
最初は本当にやばかったです。野手に指示を出したり、声出したりしますけど、エラーはするし、バッテリーミスもした。サインもわからず、配球も間違えたので本当にいっぱい怒られました」
スローイングについても、いまでこそ最速1.88秒だが、「最初の時はバラバラだった」という。二塁ベース付近に投げることができず、技術面でも苦労が絶えなかったそうだ。
キャッチャーという特殊なポジションだからこそ、経験が必要になる。その差を練習で埋めるべくユニオールは、あるコーチとのマンツーマンによる鍛錬で埋めた。

元プロとの二人三脚で急成長
その人物とは大石友好さんである。
現役時代は西武、さらには中日で活躍。引退後にはソフトバンクをはじめとしたチームでコーチとして指導者経験を持つ大石さん。チームの特別コーチとして尽力している元中日の監督・森繁和さんのつながりで3年ほど前からバッテリーを中心に定期的に指導をしているという。
取材日も大石さんとはマンツーマンでスローイングに関する指導を受けていたユニオール。NPBの世界でも活躍したコーチからの指導は、多くの学びがあった。
「最初はキャッチャーを始めた時、全然わからないことがたくさんありました。でも大石さんが定期的に来て指導をしてくれて、教わったことを毎日練習や試合でやり続けたから成長できました。大石さんの存在は本当に大きいです。
特にスローイングはステップを横ではなく、前に踏み出すこと。また体の開きを我慢することを意識したおかげで、投げた球がスライダーにならず、コントロールがどんどん良くなりました」
スローイングに課題があったユニオールは、克服するために大石コーチが来たときはチームとは別メニューで練習。必ずステップの練習を組み込んだ。実際に取材日もステップの練習に多くの時間を割き、熱心に取り組んでいる様子が窺い知れた。
「凄く時間がかかった」とユニオール自身は苦労したようだが、そのおかげで二塁ベースにはある程度狙って投げられるまで成長。この成長ぶりにはマンツーマンで指導にあたった大石コーチも「成長が速かった」と1年間の成長に及第点を与えていた。
とはいえユニオール本人も「もっと上の人がいますし、スローイングでランナーを刺すことが課題です」と全く満足していない。まだ捕手歴はわずか1年。まだまだ伸びしろ無限大だ。
多くの可能性を秘めた強肩強打の捕手・ユニオール。彼の元に吉報は届くのか。