国籍を変更した選手を積極的に代表チームに選出しているマレーシアのサッカー協会(FAM)が国際サッカー連盟(FIFA)か…
国籍を変更した選手を積極的に代表チームに選出しているマレーシアのサッカー協会(FAM)が国際サッカー連盟(FIFA)から制裁を科され、波紋が広がっている。FIFAは、選手登録の手続きに違反があったと指摘している。欧州や南米出身の選手を呼んで手早く代表チームの強化を図る動きが東南アジアで盛んだが、そんな手法に疑問を呈する声がマレーシア国内で噴出している。
FIFA規律委員会は9月26日、FAMが代表に選出した7選手の選手登録の手続きが、偽造・改ざんした文書の使用を禁じるFIFAの規定に違反したと発表した。FAMに対し罰金35万スイスフラン(約6600万円)、選手7人にそれぞれ罰金2千スイスフラン(約38万円)と12カ月間の出場停止処分を科した。7選手に代表選手の資格があるかの判断は、FIFAの紛争解決手続きに委ねるとした。
■ライバル国に4―0快勝、その翌日……
7人は6月10日にあった、2027年に開催予定のアジアカップへの出場権をかけたライバル・ベトナムとの試合に出場。うち2人が得点を決め、4―0で勝った。
FIFAが今月6日に公表した文書によると、FIFAは試合翌日、7人の登録手続きに疑義があるとの申し立てを受け、調査を開始していた。FAMの申請書類でいずれもマレーシア国内だと記されていた7人の祖父母の出生地が、実際にはアルゼンチンやスペインなど国外だったと判明。FAMの文書は「偽造」で、規定逃れを図ったとFIFAは判断した。
これに対しFAMは7日付の声明で、FIFAの決定に異議申し立ての手続きを取ると表明。FIFAの主張は「裏付ける証拠が一切ない」とした。別の声明では、FIFAが指摘した問題点は「手続き上の誤り」に過ぎないとして、自らの正当性を訴えた。