精彩を欠き、球際でボールを収めきれなかったチザム(C)Getty Images 昨季の“屈辱”が蘇るような敗退劇となった…

精彩を欠き、球際でボールを収めきれなかったチザム(C)Getty Images

 昨季の“屈辱”が蘇るような敗退劇となった。

 現地時間10月8日に行われた地区シリーズ第4戦で、ヤンキースはブルージェイズに2-5と敗戦。同シリーズの通算成績1勝3敗での敗退が決まった。

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 2年連続ワールドシリーズ出場、そして悲願の世界一の夢はあっけなく潰えた。この試合でも悪目立ちしたのは、土壇場の局面で出てしまった“拙守”だ。

 スコアを1-2として、いまだ逆転の芽を残していた7回表の守備だった。一死一塁の場面でアンドレス・ヒメネスが放った打球は二塁への平凡なゴロに。誰もがダブルプレーを期待したが、正面に回り込むように受けに行った二塁手のジャズ・チザムが、打球を大きくはじいて、ボールは無情にも中前へ……。一死一、三塁のピンチを作ったのだ。

 勢いに乗るブルージェイズは、ヤンキースのわずかな綻びを見逃さなかった。二死二、三塁となってネーサン・ルークスが中前適時打を打って2点を追加。試合の流れを大きく手繰り寄せた。

 思えば、ヤンキースは昨季に行われたドジャースとのワールドシリーズでも守備力の無さを露呈していた。5点をリードした第5戦では、アーロン・ジャッジの落球や遊撃手アンソニー・ボルピの悪送球、さらにはエースのゲリット・コールと一塁手の間に連係ミスなど拙守の“オンパレード”。逆転を許し、2009年以来の世界一を逃していた。

 当時に「基礎的なプレーの欠如を露呈していた。彼らは守備だけじゃなくて走塁も下手だった。改善が必要なのは明らかだ」(元マリナーズのハロルド・レイノルズ氏談)と糾弾されていたヤンキース。今年のプレーオフも地区シリーズ4戦34失点を喫した結果をふまえれば、やはり守備が足枷となった感は否めない。

 実際、地元メディアはヤンキースの集中力に欠ける守備を断じている。スポーツ専門局『SNY』は「試合を決定づけたのは守備のプレーだった」とチザムのエラーを糾弾。「1年前のヤンキースのシーズンは守備の弱さで終わったが、2025年も同じように感じられた」と皮肉っている。

 当のチザムが「あのプレーが起こった時からずっと考えていて、今もまだ頭から離れない」と猛省するプレーによって、反撃の機運を失ったヤンキース。彼らの世界一への道のりは険しいままだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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