米国内で不満を生んだロバーツ監督の采配。その決断はまさに紙一重だった(C)Getty Images 瀬戸際で勝利を手繰り…

米国内で不満を生んだロバーツ監督の采配。その決断はまさに紙一重だった(C)Getty Images

 瀬戸際で勝利を手繰り寄せたドタバタの継投劇は、奇しくも日本人右腕の活躍を光らせた。

 現地時間10月6日、ドジャースは敵地でフィリーズとの地区シリーズ第2戦に4-3で勝利。最終盤まで続いた緊張の攻防を制し、リーグ優勝決定シリーズ進出に王手をかけた。

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 ドジャースは試合中盤まで盤石の内容でフィリーズを圧倒。投げては先発のブレーク・スネルが6回無失点9奪三振と好投。打っては“女房役”のウィル・スミスの2点適時打などで4-0とリードを広げた。

 しかし、3点差に詰め寄られた9回にヒヤリとする場面が待っていた。3番手としてブレーク・トライネンを投入したが、この37歳のベテラン右腕が“誤算”だった。先頭のアレク・ボームに中前打、続くJ.T.リアルミュートに左翼線へ二塁打を浴びる。無死二、三塁とし、さらにニック・カステヤノスにも二塁打を打たれ、あっという間に2点を失ったのだ。

 ここでドジャースベンチは、たまらずにアレックス・ベシアにスイッチ。そして9回二死一、三塁の緊迫の場面で佐々木朗希を投入。何とか1点差で逃げ切ったものの、今ポストシーズンから「守護神」としての起用が続く23歳の日本人右腕を最初から起用しなかった首脳陣の判断は、小さくない疑問の声を生んだ。

 無論、指揮官には相応の考えがあった。試合後の会見で米スポーツ専門局『Sports Net LA』などの取材に応じたデーブ・ロバーツ監督は、「(9回は)最初からロウキで行くことも考えた」と証言。その上で「ただ、彼は3日に2度登板したことがあまりない」と先発から今秋に中継ぎへと配置転換された佐々木への“配慮”を明かした。

「点差を考えた上での判断だった。ブレークは、これまでもポストシーズンの重要な場面で我々のために大事なアウトを奪ってきた。その点で、彼に対してすごく信頼を持っている。いざとなれば、後ろにはベシアも控えているからね。だから、先手を打って(佐々木)を投入したくなかったんだ」

 とはいえ、紙一重の判断ではある。些細なミスが生じれば、あっという間にフィリーズに流れがいく可能性もあった。ゆえに盤石とはいえない継投を講じたロバーツ監督の采配には、批判の声も集中した。試合中継を担っていた地元局『TBS Sports』の実況であるブライアン・アンダーソン氏は「これはギャンブルです。間違いなく議論を呼ぶ」と指摘。さらに米スポーツ専門局『NBC Sports』のマイケル・J・ドゥアルテ記者は自身のXで「完全に誤った判断だった」と糾弾し、「なぜデーブ・ロバーツがロウキ・ササキを選ばなかったのかは理解が出来ない。ましてや、直近1か月でブルペン陣で最も悪い成績の投手を選ぶなんて……」と追及した。

 ファンからも異論は噴出した。Xでは「たまにロバーツの判断は馬鹿げて見える」「ロウキを最初から起用して、トラブルを避けるべきだった」「彼の推論は全く理解できない」「明らかに間違った決断だ」「今夜のロバーツは本当にしくじった。勝てて良かった」とチームを戒めるようなコメントが相次いだ。

 もっとも、緊張の局面でマウンドを託され、わずか2球で“仕事”を終えた佐々木は見事という他にない。今後は「休みの日も強度を高めに投げてみたり、感覚を試しながら行けそうという感覚」と連投も覚悟する23歳に、ドジャースベンチの依存は高くなっていくかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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