シンガポールの舞台で苦闘した角田(C)Getty Images「人生で最悪のラップだ」 そう肩を落とす出足の悪さによって…

シンガポールの舞台で苦闘した角田(C)Getty Images

「人生で最悪のラップだ」

 そう肩を落とす出足の悪さによって、レッドブルの角田裕毅はポイントを失った。

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 現地時間10月5日、角田裕毅は、マリーナベイ市街地サーキットで行われたF1第18戦シンガポールGP決勝を12位でフィニッシュ。2戦連続入賞とはならなかった。

 前日の公式予選でグリップの不具合によって15番手に甘んじた角田。迎えた決勝は他車の失格もあって13番グリッドからのスタートになったが、出足が「最悪」だった。

 挽回を目指した角田は賭けに出ていた。多くのライバル車がミディアムタイヤを選択する中で、数少ないソフトタイヤで挑み、序盤から順位アップを狙った。だが、開始早々からマシンのペースが上がらずに低迷。1週もしないうちに17位へと後退すると、追い抜きの難しいコース事情もあって、15位に上げるのがやっとだった。

 レース直後にチームへの無線で「スタートがね……。あぁクソッ。なんというか、コーナーごとに順位を落としていって、信じられなかったよ。ごめん」と唇をかんだ角田。F1公式のフラッシュインタビューでも「たぶん人生で最悪のスタートだった。何が起こったのかは自分でも分かってない。ただ、あそこで失う必要がないポジションまでも失った」と嘆くしかなかった。

 角田の低迷は、ライバルが発した皮肉を物語ってしまう結果となった。現地時間10月4日に英衛星放送『Sky Sports』において、マクラーレンのランド・ノリスは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンを「彼チームのために良い仕事をしてきた。レッドブルで多くのポイントを獲得したんだからね」と前置きした上で、「ただ、僕やオスカーのように、一緒に仕事をして、もう少しプッシュしてくれる仲間がいないだけだね」と論じたのだ。

 近年、レッドブルはセカンドドライバーの定着に苦心。今年も開幕3戦でリアム・ローソン(現レーシング・ブルズ)と角田を入れ替える電撃的な人事を慣行するなど、“偉才”フェルスタッペンを安定的に支える相棒探しに奔走している感は否めない。

 図抜けた才覚を持つフェルスタッペンの立場をふまえ、ノリスは“ワンマンチーム”と化しているライバルを揶揄したのだろう。

 今回のシンガポールGPでも、フェルスタッペンは2位の座を死守。エースとして確かなパフォーマンスを見せつけ、マシン操作に苦戦する角田との“差”を改めて浮き彫りにした。

 今季でレッドブルと契約満了を迎える角田は、10月下旬までに去就が決まると見られている。そうした中で、エースとの差が開き続ける現状は芳しいと言えそうにない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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