<令和7年度 群馬県高等学校秋季大会:高崎商大付6-3前橋商>◇4日◇準決勝◇小倉クラッチ・スタジアム球場 近年の群馬県…
<令和7年度 群馬県高等学校秋季大会:高崎商大付6-3前橋商>◇4日◇準決勝◇小倉クラッチ・スタジアム球場
近年の群馬県では、圧倒的な力を示していた2強・健大高崎と前橋育英。ところが、この秋はその両校が姿を消した中での準決勝は、初めての関東大会出場を果たしたい高崎商大付と伝統校の前橋商の対戦となった。
前橋商は公立校としては安定して上位をキープしている学校でもあり、2023年夏にも甲子園出場を果たした実績がある。
この夏、前橋商はシード校として挑んだが、準々決勝で東農大二に敗れた。高崎商大付は3回戦で桐生第一に敗れてベスト8を逃した。しかし、この秋の新チームは、8月になって練習試合でも愛知の強豪・東邦や長野の甲子園常連校の佐久長聖などと、ロースコアで好試合を演じていたということもあって、渡辺 賢監督としてもある程度の手ごたえは感じていたという。「そんなに打てるチームではありませんけれども、ロースコアで競り合っていけば、何とか通用するのではないかとは感じていた」と言う。
その原動力ともいえるのは藤田 快成投手(2年)の存在である。夏にも、背番号11でベンチ入りも果たしている。身長は177センチで体重も70キロ弱と決して大柄ではないけれども、体幹がしっかりしている印象だ。制球力もあり、上手に打たせていくタイプ。この日は3バント失敗も含めて10三振を奪った。
そして、打線も初回に相手失策から好機を作り、4番の渡辺 大夢選手(2年)のタイムリー二塁打などから3点を奪い主導権を握る。前橋商にも、追い上げられたけれども、3回にも7番・山岸 大時選手(2年)の左越三塁打で1点を追加して、これで、藤田投手はさらに投球に落ち着きが出てきた。
高崎商大付は5回にも二死走者なしから藤田投手自身の左前打から始まって、山岸選手、8番・飯塚 侑大選手(2年)の連打で2点を追加してリードを広げていった。そして、5回の無死満塁というピンチを1失点のみで切り抜けて、そのまま7回以降は無安打に抑えて、藤田投手はしっかりと投げ切った完投勝利となった。
2004年に創部の高崎商大付は、渡辺 賢監督が赴任した当初はグラウンドこそあったものの、水も電気も引けない広場のような環境だった。全国的にも知られている強豪校の横浜で鍛えられてきていた渡辺監督にしてみれば、あまりにも衝撃的だったという。けれどもめげずに、環境を整えることからスタートしていった。「このチームを甲子園に連れていきたい。甲子園を目指せるチームにしていきたいという思いがあった。それが自分にもエネルギーになっていった」と言うが、「何度も壁にぶち当たりました。ベスト8の壁も大きかったですね。それでも、健大高崎や前橋育英には負けたくないと思ってやっていました」と壁も厚さを感じながらやってきた。
そうした中で、今大会で初めて県大会決勝進出を果たすことができた。「これだけ打てるとは思っていなかった。ロースコアの試合が多かったので、イメージとは少し違った形の展開になったけれども、よく守ってくれたとも思う。3つの併殺も大きかった」と守り勝ちを評価していた。
選手たちが、自分たちで話し合って、色々と決めていく体制ができていることも、チームの特徴として挙げていた。バントをしっかりと練習してきたことも大きかったという。
前橋商の冨田 裕紀監督は、「走者を出しても二死まで堪えながら、そこで打たれたのが敗因でした。3回、5回と二死から下位に長打されたのが痛かったです」と、試合の流れが、もう一つおもい描いたようにならなかったことを悔やんでいた。