Q2でタイムを伸ばせず、厳しい結果となった角田(C)Getty Images またも苛立ちが爆発した。 現地時間10月4…

Q2でタイムを伸ばせず、厳しい結果となった角田(C)Getty Images

 またも苛立ちが爆発した。

 現地時間10月4日、F1の今季第18戦となるシンガポールGPの公式予選が市街地コースのマリーナベイ・ストリート・サーキットで行われ、レッドブルの角田裕毅は2回目(Q2)の15番手で敗退した。

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 1回目(Q1)を10番手で通過した角田は、Q2ではファーストアタックで1分30秒353をマーク。全体6番手につけたものの、そこからタイムが伸び悩んで停滞……。他車にどんどん抜かれる中で迎えたラストアタックでも記録を伸ばせずに15番手に沈んだ。

 無念の公式予選後に行われたF1のフラッシュインタビューで「ベストは尽くしたけど、苦戦した。正直に言えば、こんなにも難しいとは思わなかった」と吐露。レース中も無線を通じてチームに対して「理解できない」と改善を要求したマシンのグリップに対する不満を露わにした。

 アップデートを施さず、従来設定のままで今戦に臨んでいた角田。一方でエースドライバーのマックス・フェルスタッペンは、前戦から新たなフロアパーツを導入。自社マシン「RB21」と相性の悪いとされるマリーナベイ・ストリート・サーキットで、レッドブル陣営がどちらを勝たせようとしているかは明白だった。

 そうした背景もあって、25歳は強い表現を用いて、フラストレーションを口にしてもいる。

「(二人の間にあるのは)極端な差じゃないんだ。でも、この馬鹿げた装置の何かがわかるかもしれない。(フェルスタッペンは)フロントウイングだけのアップグレードだから、それほどの助けになるとは思わないけど。まぁ、様子を見てみようか」

 改善の兆しが見られなかった日本人ドライバーのパフォーマンスには、「失望」という見方も広まっている。英専門メディア『F1 Planet』は「シンガポールGPの予選での“勝者”と“敗者”」と銘打った特集記事内で、角田を「敗者」と判断。その理由を次のように説いている。

「残念ながら、シンガポールGP予選でのパフォーマンスは、彼にとってプラスにはならなかった。Q2で幸運に恵まれなかった日本人ドライバーは、グリップ不足が主な懸念事項であると再三にわたって指摘をしたが、その課題が彼の一日をより困難なものにした。

 レッドブルのセカンドシートにまつわる、いわゆる『呪い』については語るべきことがたくさんある。だが、ツノダは残念ながらレッドブル・レーシング、あるいは他のどのチームにとっても、将来的に彼に賭けるに値する説得力のある主張が出来ていない」

 何かと喧騒が尽きない去就問題に関しては、サマーブレイク後の10戦で判断する方針で合意している角田。残留に向けては、課題が山積しているが、果たして、ここからいかにアピールをしていくのか。いずれにしても決勝での大幅な巻き返しは必須と言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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