「三振三振三振とやられていたので」、ホークス川島が意地の一打 日本一の座を射止めた。4日、本拠地ヤフオクドームで行われた…
「三振三振三振とやられていたので」、ホークス川島が意地の一打
日本一の座を射止めた。4日、本拠地ヤフオクドームで行われた日本シリーズ第6戦。延長11回の激闘の末に、サヨナラ勝ちというドラマチックな結末でソフトバンクに2年ぶりの日本一をもたらしたのは、川島慶三のバットだった。
守護神・サファテの決死の3イニングにも及ぶロングリリーフにより、同点で迎えた延長11回の攻撃。劇的な決着が待ち受けていた。
1死から内川、中村晃がエスコバーから連続四球を選び、一、二塁。続く松田は、三上に対して三塁正面のゴロで危うく併殺になるところだったが、三塁ベースを踏んで一塁へ送球した宮崎のボールがわずかに逸れて、命拾いした。そして、川島に打席が回ってきた。
「反対方向に撃てば、バットに当たるかな、と。ポイントを前にし過ぎると、三振三振三振とやられていたので、バットに当てて事を起こせば、と」
ここまでの4打席は空振り三振、空振り三振、右飛、空振り三振だった。運命の5打席目。2ボール2ストライクからの5球目。三上のストレートに食らいついた打球は、一、二塁間を抜けた。
サヨナラ打の後の心境、「本当にこのチームでよかった」
大歓声に背中を押され、二塁走者の中村晃が本塁へと突っ込んでくる。右翼からの送球が、捕手の手前で大きく弾む。捕れない。ヘッドスライディングの中村晃。ヤフオクドームは大歓声に包まれる。ベンチから飛び出してくる選手たち。「ああいう結果が出てよかったです」。川島はホッとしたような表情を浮かべていた。
チームメートにもみくちゃにされる中で、サヨナラ打を放った川島は何を思ったのか。「ああ終わったな、と、正直思いました。僕らがチャンピオンになるべきチームだったし、それが目標だったので、無事に終わって良かったなと。すごく嬉しかったですけど、ヒーローは僕じゃないんで。チームみんなが1つになったから。チームが1つになって、本当にこのチームでよかったなと思った瞬間でした」と、歓喜の瞬間の胸の内を語った。
今季、ペナントレースでの先発出場は26試合。基本は左投手が相手の先発の際の起用だった。この日の先発は左の今永だったが、得意の左腕の前に2三振。9回の山崎、そして11回の三上と、どちらかといえば、苦手とする右腕だったが、そのまま打席に立ち、それが最終的に勝敗を分けることになった。
「チームが1つになっていたので、これはもう勝たないといけないなと。僕がどうこうではなく、チームみんなで戦った感じだった」とチーム一丸で戦ったと強調していた川島。決して誰か1人がヒーローだったわけではない。主役がいて、脇役がいて、この強さは生まれている。チームを支えた全員で掴み取った日本一。川島の言葉は、それをよく表していた。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)