川端慎吾が現役引退を表明。代打で1打席に懸ける重圧が垣間見えた(C)産経新聞社 ヤクルトの川端慎吾が9月27日、今季限り…

川端慎吾が現役引退を表明。代打で1打席に懸ける重圧が垣間見えた(C)産経新聞社
ヤクルトの川端慎吾が9月27日、今季限りでの現役引退を表明した。巧みなバットコントロールでファンを魅了し、通算1099安打を積み上げてきたプロ20年目のバットマンが、ユニフォームを脱ぐ決断をした。
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チーム野手最年長の37歳は、プロ10年目の2015年に143試合に出場して打率.336、195安打を放って首位打者と最多安打のタイトルを獲得。リーグ優勝に貢献した。
レギュラーは安泰かと思われたが、腰痛に悩まされ、20年1月には腰を手術。この年は39試合で打率.128という不本意な成績に終わった。
復活を期した翌21年には代打で82打数30安打の打率「.366」という驚異的な成績を残した。 オリックスとの日本シリーズ第6戦では、延長12回に代打で登場して決勝の適時打を放ち、20年ぶりの日本一の立役者となった。
23年も代打打率「.323」をマーク。勝負所での一打にファンは酔いしれた。15年に三塁手としてベストナイン、ゴールデングラブ賞にも輝いた川端だが、近年はスタメンではなく、1試合1打席に懸けてきた。
ところが、24年は代打での打率が「.224」と低迷。川端は“一振り”で結果を残さなければならないことについて「本当に難しい。そんな簡単に打てるようなところではないですし、ましてや抑えや勝ちパターンのピッチャーなんて簡単でないのはわかっている」と、本音を漏らしたこともあり、その重圧が計り知れないことが垣間見えた。
それでも「1打席でなんとかしないといけない。メンタルの部分が大きい。気持ちでなんとか『H』ランプを灯すだけですね」と気持ちを奮い立たせていた。
ファンは、川端のことを「代打の神様」として大きな期待を寄せた。21年に残した代打成績は否が応でも基準となる。そんな記録を生み出したことに「あり得ないと自分でも思っている。何かがあったんでしょうね」と、驚きとともに振り返っていたのが忘れられない。
ただ、川端本人が「あり得ない」と口にした偉大な記録は、腰の痛みとも闘いながら、苦心して挑み続けた勝負強さの証しだ。
チャンスの場面、川端の登場曲が流れると一気に球場のボルテージは上がる。神宮のファンは背番号「5」の雄姿をずっと胸に刻むはずだ。
[文:別府勉]
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