「ロレックス・パリ・マスターズ」(10月30日~11月5日/フランス・パリ/室内ハードコート)の大会5日目、準々決勝で第16シードのジャック・ソック(アメリカ)がフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)と対戦。6-7(3)、6-2、6-3の逆転…

「ロレックス・パリ・マスターズ」(10月30日~11月5日/フランス・パリ/室内ハードコート)の大会5日目、準々決勝で第16シードのジャック・ソック(アメリカ)がフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)と対戦。6-7(3)、6-2、6-3の逆転でソックが勝利し、準決勝へと駒を進めた。

ATP公式サイトは、ソックの「ATPファイナルズ」出場への夢はまだ生きている。と報じた。

今週初め、エミレーツATPレース・トゥ・ロンドンで24位に位置していたソックにとって、「ATPファイナルズ」初出場のチャンスをつかめる可能性は低そうだった。ところが、好調ベルダスコからの厳しい挑戦を退けて、「ロレックス・パリ・マスターズ」の準決勝へと駒を進めたソックは、あと2勝で、年末最終戦の出場権を手にする最後の選手となれるところまで漕ぎ着けた。

25歳のソックのキャリアにおいて、ATPワールド・ツアー・マスターズ1000のトーナメントで準決勝まで勝ち進んだのは、今年のインディアンウェルズに続いて2度目である。ただし、より重要なのは、ファイナルズの出場権獲得が現実味を帯び始めたことだろう。もし実現すれば、近年の「ATPファイナルズ」出場選手の中でも、極めて意外な出場権獲得者となる。

ソックがパリでトロフィーを手にすれば、パブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)に代わってロンドンの8番目にして最後のスポットを手に入れることになる。唯一の競争相手は、4日の準決勝で予選勝者のフィリップ・クライノビッチ(セルビア)との対戦が予定されている、ジョン・イズナー(アメリカ)だ。イズナーはソックと同じくアメリカ出身で、友人でもある。もしイズナーがこのトーナメントで優勝すれば、11月12日から19日にかけてO2で開催されるファイナルズの最後の出場権は、イズナーが獲得することになる。

ベルダスコを下すのは容易ではなかった。この日のセンターコート最後の試合となった二人の対戦で、ソックはベルダスコの左フォアハンドの強打に苦しめられ、ありとあらゆる形で苛立ちをぶちまけた。最終セットでは、ベルダスコが最初のゲームのブレークポイントを握って優位に立とうとしたものの、ソックは粘ってブレークさせず、その直後のゲームを自身がブレーク。すると、奪ったリードを最後まで手放そうとはしなかった。2-5でサービスゲームを迎えたベルダスコは、4度のマッチポイントをしのいだが、ソックは5度目のマッチポイントをものにして、最後はもつれることなく試合に決着を付けた。

ソックにとっては厳しい試合が続きそうだ。次の対戦相手は、ソック同様にマスターズ1000のトーナメントの準決勝に2度目の進出を果たした、地元ファンを味方に付けているジュリアン・ベネトー(フランス)だ。ソックとベネトーのこれまでのツアー対戦成績は一回のみで、前回の対戦は3年前の上海でベネトーが勝利を収めている。準々決勝で第3シードのマリン・チリッチ(クロアチア)から大勝利を収めたベネトーは、間違いなく好調だ。

1回戦の第3セットでカイル・エドマンド(イギリス)に1-5とリードされたソックにとって、今週は起伏の激しい1週間となっている。トーナメント外から2018年へ向かうに当たり、ソックは今、キャリア最大のチャンスを迎えている。

ソックがマスターズ1000のトロフィーを初めて手にすれば、今年3度目のタイトル獲得となる上に、エミレーツATPランキングで初のトップ10入りも果たすことになる。(テニスデイリー編集部)

※写真は「ロレックス・パリ・マスターズ」準決勝進出を決めたソック

(Photo by Dean Mouhtaropoulos/Getty Images)