国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」は28日~10月8日(本会期)と10月25…
国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」は28日~10月8日(本会期)と10月25~27日の日程で、県内各地で催される。県は滋賀らしさや自然環境に配慮した「おもてなし」に力を入れる。
彦根市松原町の平和堂HATOスタジアム(彦根総合スポーツ公園陸上競技場)で行われる28日の国スポ総合開会式と10月25日の障スポ開会式。選手団の入場をプラカードを手に先導するスタッフの帽子は、琵琶湖岸で水質・生態系保全のために刈り取られたヨシが使われる。運営スタッフらのウェアは、回収ペットボトルなどでできたリサイクル繊維100%素材という。
両開会式や障スポ閉会式に出る選手や監督、大会役員ら向けに用意される「おうみ彩り弁当」は、県産食材や郷土料理をふんだんに盛り込む。
開会式では県の式典弁当メニューコンテスト優秀賞の「近江の茶香る鶏天」「赤こんにゃくと近江牛のしぐれ煮」や、「湖魚の佃煮(つくだに)」「がんもどきとしいたけの煮物」など。障スポ閉会式には、同じく優秀賞の「赤こんにゃくとれんこんのきんぴら」「ビワマスのタルタルソース(日野菜漬け入り)」などが入った弁当が用意される。計約1万3千食を予定し、特別招待者らを除き税込み1188円で販売される。
「県民の健康長寿を育んできた琵琶湖の恵みと豊かな食文化を味わってほしい」との思いの一方、食品ロス削減のため食べきれる量に抑えた。弁当箱の中の仕切りには環境に優しいサトウキビの搾りかす素材を使った。
選手や観客らにはマイボトルの持参を呼びかける。給水場を彦根総合スポーツ公園や各会場に設け、ペットボトルなどのプラスチックごみの削減を図る。
選手に贈られる大会メダルは、琵琶湖の形がくりぬかれた独特のデザインで、甲賀市の障害者福祉施設「やまなみ工房」の作家・森雅樹さんの作品を採り入れた。原料の一部には、各家庭から集めた使わなくなった学生服のボタンが使われている。「琵琶湖を大切にという環境意識や多様性の尊重を掲げた大会の象徴として製作した」という。
総合成績表彰状には、県内で生産され、江戸時代末期からの歴史がある「なるこ和紙」を使い、ヨシをすきこんだ。額縁は県内で伐採、加工された「びわ湖材」(ヒノキ)を用いた。国指定伝統的工芸品の織物「近江上布」を内装に使い、額の上部には、琵琶湖に映える夕日をイメージした色の信楽焼、下部には県の鳥・カイツブリを躍動感のある上丹生木彫(かみにゅうもくちょう)で表現した。
県の担当者は「大会を単なるスポーツではなく、地域の魅力や思いの詰まった『レガシー』(価値ある遺産)として後世に残したい」と話す。(高田誠)