ともに日本ハムでプレーした鶴岡氏と中田(C)産経新聞社 中日の中田翔が今季限りでの現役引退を表明。9月19日のヤクルト戦…

ともに日本ハムでプレーした鶴岡氏と中田(C)産経新聞社

 中日の中田翔が今季限りでの現役引退を表明。9月19日のヤクルト戦では、本拠地・バンテリンドームで引退セレモニーが実施された。2008年の日本ハム入団から、巨人、中日と渡り歩いての18年。日本ハム時代の同僚である元捕手の鶴岡慎也氏は「寂しいですけど…まだやれるだろうと思いますね。僕としては引退するのは、まだ早いなと」と口惜しそうに切り出した。

【動画】ダイブからの柔らかい送球!中田翔の一塁守備をチェック

 中田と鶴岡氏は2008~13年、18~21年と、日本ハムで計10年間チームメートだった。「翔とは何百試合と一緒に出場して、優勝も分かち合いましたからね」。その中田とは、今年3月のオープン戦で話を交わす機会があったという。

「彼からは『打球が飛ばなくなりました』という話がありましたね。あとは『体調が整わない日が多くなってきました』とも言っていました」。昨オフは持病の腰痛対策で15キロの減量を断行。その反動も大きかったようだ。

 忘れられない試合がある。プロ2年目で待望の1軍デビューを果たした2009年5月23日のヤクルト戦(札幌ドーム)。中田は「7番・DH」、鶴岡氏は「8番・捕手」でスタメンに名前を並べた。

 中田は2回一死一塁からの第1打席で、ヤクルト先発のリッキー・バレットのチェンジアップをとらえ、鋭く三遊間を破った。ネクストバッターズサークルにいた鶴岡氏は「初ヒットを目の前で見ていましたし、すごく鮮明に覚えていますね」と振り返った。

 そして3年後の2012年。中田は堂々の主力に成長していた。「彼が4番にドンと座って優勝できた。西武の野上(亮磨)、十亀(剣)から2本ホームランを打って、5-0で勝った試合があったんですよ。吉川(光夫)が完封して、これで優勝だなと思いました」。その言葉通りに、9月28日の西武戦(同)に完勝し、優勝マジック「4」が点灯。3年ぶりのリーグ優勝を引き寄せた。「2012年は翔に優勝させてもらったようなもの。感謝の気持ちがありますね」と感慨深げに話した。

 中田には通算309本塁打のパワーが、真っ先に思い浮かびそうだが、鶴岡氏の印象は少し異なる。「彼はバッティングが注目されがちですけど、守備がめちゃくちゃ上手かったんですよ。あんな守備が上手いファーストはいなかったよな、と今でも思いますね」。ゴールデングラブ賞5度の実績に裏打ちされた技術は、同じグラウンドにいたからこそ、より強く実感している。

 また、2013年までは外野守備がメインで、地肩の強さを生かした力強い送球を、捕手の立場で何度も受けてきた。「彼からのバックホームは、すごくいいコントロールだったので、本当に捕りやすかった。センスがありましたね」と何度もうなずいた。

 打って、守って、一時代を築いた男の引き際。その凄さを間近で感じてきただけに「まだまだできただろうと思いますけど」と寂しさをにじませながら、「入団してきた時から、ずっと注目されて、打点王も獲った。本人の中で、納得しての引退だと思います。次にどういうことをやるのか分からないですけど、応援していきたいです」とエールを送った。その言葉には、ともに戦った者にしか分からない誇りと敬意が込められていた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】日本一に300号のマツダで「特別な思い出を作る事ができました!!」引退表明の中田翔が地元に感謝 ファン涙「翔くんの人柄あってこそ」

【関連記事】「選手にも首脳陣にもマンネリした空気がまったくない」新庄ハム4年目の成熟 球団OB捕手が見る軌跡「新庄監督の計算」

【関連記事】日本ハム9年ぶり優勝はあるか 球団OB捕手「ひりひりした緊張感が+αに働くのはファイターズ」ソフト逆転の鍵はエースと4番