フィリピンにコールド勝ち、流れを変える先制打は「走塁ミスを取り返そうと…」 静岡県伊豆市・志太スタジアムで開催されている…

フィリピンにコールド勝ち、流れを変える先制打は「走塁ミスを取り返そうと…」

 静岡県伊豆市・志太スタジアムで開催されている「第9回 BFA U-15アジア選手権」は2日、大会2日目を迎え、侍ジャパンU-15はフィリピンに10-0の5回コールド勝ちを収めた。0-0の均衡を破ったのは、初戦から好調の5番・加藤陸久(神奈川・文命中)のバットだった。

 3回まで走者を出すものの、ホームを踏むことができなかった日本。0-0で迎えた4回、無死一塁で加藤が打席に向かった。

「その前に走塁ミスをしていたので、自分のバットで取り返そうという気持ちがあった」

 2回の先頭打者として、四球で出塁した加藤はボークで二塁に進んだ。6番・山城航太郎(福岡・高宮中)は投飛に打ち取られ、7番・濱田世(高知・高知中)はサード内野安打。一塁への送球が逸れる間に加藤は三塁を狙おうとしたが、ボールが二塁へ送られてタッチアウト。このプレーでチャンスを潰していただけに燃えるものがあった。

 場面は4回に戻り、無死一塁。加藤への2球目で一走・平尾柊翔(埼玉・大石南中)が盗塁。その後、ファウルで粘り、カウント2-2からの8球目をセンター右にはじき返した。相手中堅手が飛びついたが、捕ることができず、打球は外野を転々。その間に三塁も蹴って、ホームに駆け込んだ。ランニング2ランホームラン。自らの走塁ミスもあり、悪かった流れを変える大きな一打となった。

「最初は硬かったけど、ベンチから『自分のバッティングを!』という声があったので、何も考えないで、自分のバッティングをしました」

連日攻撃のキーマンに、日の丸は「憧れていた面もありますが、少し重い感じも」

 フィリピンの先発左腕に日本の左打者は苦戦していたが、自チームで常に逆方向を意識した打撃練習をしてきたという右打ちの加藤が嫌なムードを一変させた。値千金の一打に「ボールに合わせて右方向に上手く打てました」と胸を張った。

 初戦の香港戦は8番で4打数4安打6打点と大当たり。この日は5番に入って先制打と“主役”に躍り出たが、元々、好調だったわけではない。「こっちに来てから、ぐちゃぐちゃになっていたんです」と伊藤将啓監督。加藤も「この合宿に入ってきた時は自分の間を取れていなかった。長打を狙ったバッティングをしていた」と振り返る。10月28日から始まった合宿で試行錯誤。伊藤監督から「8割くらいの力で捉える気持ちで」と言われ、力が抜けた。「調子がいい時は打席であまり深く考えない」という加藤に、その感覚が戻った。

 日の丸を背負い、連日の攻撃のキーマンとなっている。

「憧れていた面もありますが、少し重い感じもする。でも、自分ができることを最大限にしようと思っています。自分の持ち味を出せているところもありますが、悔いが残るプレーもあるので、残り3日間、しっかり自分ができることをやっていきます」

 好きなプロ野球選手には「走攻守が揃っていて、バッティングのパワーもあるし、足もある。いろんなことができるので、憧れです」とソフトバンク・柳田悠岐外野手を挙げる加藤。チャイニーズ・タイペイ戦に向け、「この大会で一番、重要な試合。チーム一丸となって、全力で勝ちにいきたいと思います」と闘志を燃やした。(高橋昌江 / Masae Takahashi)