筆者はいま、ラグザス presents 第32回 WBSC U-18 野球ワールドカップの取材で沖縄にきています。最終日…
筆者はいま、ラグザス presents 第32回 WBSC U-18 野球ワールドカップの取材で沖縄にきています。最終日となる14日は日本vsアメリカの決勝戦が行われます。日本が2大会連続の世界一を達成できるか楽しみです。
プロ野球で活躍する選手の中には、U-18代表を経験している選手がたくさんいます。今回は高校日本代表で評価を高め、ドラフト1位を不動のものにしたスターたちを紹介できればと思います。
飛距離が別格だった岡本和真
まず2014年の岡本 和真内野手(智弁学園-巨人)を挙げます。
度肝を抜かれたのは、国内合宿での関西大との試合です。岡本選手はその試合で高速打球を放ちました。関西大のどの打者よりも速い打球でした。
最近は木製バットを使う高校生打者も増えて、打撃練習では鋭い打球が増えました。ただ、実戦で大学生以上の打球を打つ姿はあまり見ません。岡本と同僚だった14年の代表選手に当時の話を聞く機会がありましたが、やはり岡本選手は別格だったようです。この大会で岡本選手は19打数9安打の活躍を見せました。
当時の巨人は次世代の大砲獲得が補強ポイントとなっていました。甲子園の活躍、U-18での活躍により評価を高めた岡本選手は見事、巨人のドラフト1位指名を受け、いまでは巨人に欠かせない選手へ成長しています。
一気に評価を上げた堀瑞輝
2016年の代表だった堀 瑞輝投手(広島新庄)もこの大会で一気に評価を高めた投手です。最後の夏では甲子園ベスト16に導く快投。延長12回までもつれた関東第一戦を含め、3試合すべて完投し、30回を投げ4失点の好投が評価されて、代表入りしました。代表での堀投手は甲子園以上の内容でした。甲子園での最速は144キロほどでしたが、この大会では4キロ上回る最速148キロを計測し、9.2回を投げ、18奪三振、防御率0.00の快投で評価はうなぎのぼり。いわき国体では150キロまで計測しました。この世代、履正社・寺島 成輝投手(元ヤクルト)、花咲徳栄・高橋 昂也投手(広島)が世代屈指の左腕として取り上げられていましたが、ドラフト直前で状態が一番良かったのは堀投手でした。堀投手のもとには11球団の調査書が来ていたと取材で明かしています。
日本ハムから1位指名された堀投手はここまで通算230試合に登板しており、70ホールドを記録。中継ぎとして活躍しています。
二段モーションが奏功し、夏の大会から別人となった前田 悠伍
3人目は前田 悠伍投手(大阪桐蔭-ソフトバンク)です。
当時から世代ナンバーワン左腕として注目されていましたが、最終学年の前田投手は順調ではありませんでした。選抜での最速は147キロでしたが、2年生の時と比べると状態を落としており、さらに肘のコンディションを考慮し、2か月ほど登板できない時期もありました。夏の大阪大会では決勝戦敗退。最速145キロにとどまり、本調子ではないまま終わりました。
しかし、U-18代表に選ばれた前田投手は見事に復活を果たします。アメリカ、韓国、台湾と強豪三か国すべてで好投し、決勝戦の台湾戦では完投勝利まで収めたのでした。
世界大会の前田投手はフォームの二段モーションにしたことで、フォームに連動性が生まれ、またコンディションをしっかりと整えたことで、140キロ台後半の速球とチェンジアップで翻弄する投球を見せていました。
前田投手は外れ1位ながら3球団の競合の末、ソフトバンクへ。もしワールドカップでの復活がなければ、ここまで競合する投手になっていなかったかもしれません。ラストアピールで満点投球を見せた前田投手の実力、メンタルは素晴らしいものでした。
類まれな対応力の高さを発揮した石塚 裕惺
4人目は石塚 裕惺内野手(花咲徳栄)です。夏に活躍し、モノの違いを見せていましたが、木製バットを使ったU-18でも別格のパフォーマンスを見せていました。
まず大学日本代表との壮行試合では、篠木健太郎投手(法政大)の速球をはじき返し、右中間を破る二塁打を打ちました。篠木投手は回転数の高い速球が自慢です。そのような投手からもしっかりと弾き返せる対応力の高さが光りました。
アジア大会でも、17打数5安打を記録しましたが、140キロ後半の速球投手にも振り負けせず、右中間にはじき返す打撃ができていました。また遊撃守備も堅実で、走塁技術も非常に高く、ベースランニングは無駄がありませんでした。
石塚選手は夏の甲子園初戦敗退に終わり、埼玉に戻ったあと学校の練習でマシンを高速に設定して速球への目慣らしと、しっかりと打ち返せるためにフォームの微調整を繰り返したようです。そうした事前準備が好結果につながったと思います。
石塚選手については大学野球のプレーヤーとそん色ないという評価もありましたが、まさにその通りだと思います。
昨年のドラフトでは巨人、西武から1位指名を受け、巨人が交渉権を獲得しました。二軍では53試合で、打率.325と高卒1年目としては優秀な数字を残しています。
今年は、石垣元気投手(健大高崎)のドラフト1位指名が有力視されています。最速155キロを連発し、凄みが増しています。
他校の一流選手と交わる機会は技術的な成長、精神的な成長につながっているようです。今後も高校日本代表を経験して、プロ入りにつなげた選手たちをいつか紹介できればと思います。