親善試合ではない、本気のテストマッチだ。11月4日、ラグビーワールドカップ2019の決勝戦会場でもある日産スタジアム(横浜国際総合競技場)で日本代表と対戦するオーストラリア代表のマイケル・チェイカ ヘッドコーチは、2015年ワールドカップ…

 親善試合ではない、本気のテストマッチだ。11月4日、ラグビーワールドカップ2019の決勝戦会場でもある日産スタジアム(横浜国際総合競技場)で日本代表と対戦するオーストラリア代表のマイケル・チェイカ ヘッドコーチは、2015年ワールドカップで準優勝を果たしたメンバーのうちの10人を先発に並べた。スタメン15人のキャップ総数は640(平均42)の強力布陣だ。“ワラビーズ”の愛称で知られるオーストラリア代表は、現在世界ランキング3位。ワールドカップで優勝2回の戦績を誇る。

「いま、もっとも大事な試合。テストマッチは、いつでも目の前にある試合がいちばん大事。歴史的に見ても、ワラビーズが日本で日本代表と戦う歴史的な試合。リスペクトされる試合をしたい」(チェイカ ヘッドコーチ)

 主将のFLマイケル・フーパーはもちろん、フロントロー3人は経験豊富なPRスコット・シオ、HOタタフ・ポロタナウ、PRセコペ・ケプ。2列には78キャップのロブ・シモンズが入り、来年はジャパンラグビートップリーグでのプレーが噂されているショーン・マクマーンが8番を着る。
 ふくらはぎを痛めて大事をとる副将のウィル・ゲニアに代わって9番をつけるSHニック・フィップスもワールドカップ経験者で、CTBテヴィタ・クリンドラニ、WTBヘンリー・スペイトも大舞台で銀メダルを手にした男たちだ。そして、心身のリフレッシュのため長期休養に入ったイズラエル・フォラウに代わって15番を着るのは、こちらも世界的なスターである万能BKのカートリー・ビール。

 年内での代表引退を表明している前主将のHOスティーブン・モーア(125キャップ)はリザーブに入って日本のファンに最後のゴールドジャージー姿を披露する。

 司令塔のバーナード・フォーリーは体調を崩して十分にトレーンングできておらず、レベルズでプレーメイキング役を担ったことがあるユーティリティBKのリース・ホッジが10番をつける。テストマッチでSOは初挑戦。

 元ラグビーリーグ(13人制)スターのマリカ・コロインベテは左WTBで先発するが、同じく転向組のカーマイケル・ハントは首を痛めているため日本代表戦のメンバーには入らなかった。

 マイケル・チェイカ ヘッドコーチは、「疲れはない。今回のメンバーは先週末のバーバリアンズ戦には出場せず、休みはとれた。ゲニア、ハントは怪我。フォーリーは体調不良。彼らも、元気であれば起用した。ホッジはU20代表のときにSOでプレーしたことがあり、ここで10番のチャンスを与えるのにいいタイミングだ。私も楽しみで、本人も自信を持っている」と、メンバー選考について語った。

 日本代表については、非常に発展している、と警戒する。
「日本代表にはたくさんいい選手がいる。マフィ、私が指導した松島、田中、堀江など、日本を離れてスーパーラグビーを経験した選手もいるし、バックスリーの選手たちが危険なことはサンウルブズなどを見ても、わかる。日本でプレーしている外国人選手の影響もいいものがある。それにコーチ陣の質もとても高い。特別なスタイルを持っているチームで、簡単ではない相手。我々は1ポイントでも上回らなければならない」

 ワラビーズは2週間前(10月21日)、世界の頂点に君臨し続けているニュージーランド代表“オールブラックス”を倒しており、いま最も勢いにのってるチームといえる。
「今年はスロースタートで始まった。フィットネスがテストレベルでなかった。デイフェンスシステムも変えたので、慣れないといけなかった。しかし、絆は太くなっていき、このチームでゴールしたいものが明確になってきた。ここに来ていない選手もいる。若手にチャンスをつかんでほしい。ただ、試合をするだけでなく、環境を知っておくことも有意義。今日(11月2日)は、2019年大会の決勝の日。ほぼそれと同じ時期に試合ができるのは素晴らしいし、そこでベストプレーをして、いい感覚を持って帰ることができたら、なおいい」(チェイカ ヘッドコーチ)

 11月4日(土)14時40分キックオフとなる日本代表×オーストラリア代表戦は、日本テレビ(地上波/全国)とJ SPORTS(衛星波・ケーブルテレビ)で生中継される予定。J SPORTSではゲスト解説として昨季トップリーグで優勝を遂げたサントリーサンゴリアスの沢木敬介監督を迎え、中継内では、ワラビーズで100キャップ以上を獲得し現在はサントリーの一員として活躍するジョージ・スミス選手とマット・ギタウ選手に試合の注目ポイントなどを聞いたインタビューも放送する。日本テレビは元日本代表の吉田義人さんが解説を務め、ゲストは2015年ワールドカップで活躍した真壁伸弥選手(サントリー)。

■オーストラリア代表 選手名鑑(試合登録メンバー背番号入り)
 ※ 画像をクリックすると大きく表示されます。

1.スコット・シオ(ブランビーズ)  2.タタフ・ポロタナウ(フォース)  3.セコペ・ケプ(ワラターズ)  4.ロブ・シモンズ(ワラターズ)  5.アダム・コールマン(フォース)  6.ネド・ハニガン(ワラターズ)  7.マイケル・フーパー(主将/ワラターズ)  8.ショーン・マクマーン(レベルズ)  9.ニック・フィップス(ワラターズ  10.リース・ホッジ(レベルズ)  11.マリカ・コロインベテ(レベルズ)  12.サム・ケレヴィ(レッズ)  13.テヴィタ・クリンドラニ(ブランビーズ)  14.ヘンリー・スペイト(ブランビーズ)  15.カートリー・ビール(ワラターズ)

〔リザーブ〕
16.スティーブン・モーア(レッズ)  17.トム・ロバートソン(ワラターズ)  18.アラン・アラアラトア(ブランビーズ)  19.マット・フィリップ(フォース)  20.ベン・マッカルマン(フォース)  21.ロペティ・ティマニ(レベルズ)  22.ジョー・パウエル(ブランビーズ)  23.カーティス・ロナ(フォース)