2大会連続の世界一を狙うU−18日本代表は、オープニングラウンド全勝でスーパーラウンドに進出した。スーパーラウンドは上位…

2大会連続の世界一を狙うU−18日本代表は、オープニングラウンド全勝でスーパーラウンドに進出した。

スーパーラウンドは上位三カ国の対戦成績は持ち越しになるため、2勝0敗で臨む。アメリカ、パナマ、台湾という順番で戦う。最大のライバルはアメリカだろう。150キロオーバーの投手が8人をそろえ、チーム打率.344もスーパーラウンド進出の6か国ではトップで、投打ともにスキがない。

 小倉全由監督はスーパーラウンドに向けてどう戦いを考えているのか。

大会トップクラスの投手陣は切れ味鋭い変化球で抑えることができるか

 アメリカに対抗するうえで、日本の強みは投手陣である。チーム防御率0.64はアメリカについで2位で、46奪三振はアメリカと並んで1位である。

 アメリカ戦で先発を任された末吉 良丞(沖縄尚学)は韓国戦で4回、3奪三振、2失点の力投を見せた。常時140キロ台前半の速球、120キロ台後半のスライダーをコントロールよく投げることが求められる。末吉は「アメリカチームは体格もパワーも格が違うので、日本の技術を使って対抗していきたい」と語る。

 投球数もポイントになるところ。55球以内に抑えられば、中1日で登板が可能になる。リードして好投した場合は70球前後になるのか。ビハインドになった場合、50球程度であきらめ、継投策につなぐのか、指揮官の判断も注目される。

 中継ぎでは2試合連続無失点の左腕・西村 一毅(京都国際)、早瀬 朔(神村学園)、剛腕・石垣 元気投手(健大高崎)などが控える。

 アメリカ、台湾の打者を見ていると、低めの変化球をしっかりと投げ切れば、抑えられる感じがある。小倉全由監督は「それができれば理想」と語るように、変化球をしっかりと投げ切って三振を奪う展開を期待したい。

 パナマ、台湾戦の先発は、下重 賢慎(健大高崎)、中野 大虎(大阪桐蔭)、奥村 頼人(横浜)の3人が候補になる。下重は甲子園よりもストレートの球威、変化球の精度が高まっており、計算が立つ存在となった。中野も南アフリカ戦で5回9奪三振を記録し、伸びのあるストレートも素晴らしい。奥村頼は、今年の投手陣の中で最も状態が良い。140キロ台後半の速球、大きく落ちるチェンジアップはどの国でも打てないのではないか。

 大会初戦で先発した森下翔太(創成館)は中継ぎ待機か。まだ投手としても、野手としても登板がない辻琉沙(履正社)もどこかで登板がありそうだ。

 球数制限がある大会で難しいのは、勝ちを目指すうえで、必勝リレーをしながら、最終日の決勝で、どれだけ力のある投手を残せるかだ。今大会、コンディションの良さからすれば奥村頼、変化球の良さで西村か。

10日の公開練習で笑顔で見守る小倉監督

打線が低調な今大会は守り勝つ野球しかない

 問題は打線である。チーム打率.286で、力の差が明らかにあった南アフリカ戦では10得点を入れたが、それ以外はイタリア戦と韓国戦の4得点が最多。

 相手のエラーで入った点も多く、しっかりと打って点を取った場面が少ない。

 世界一となった23年では10点を取った試合が3試合、7点を取った試合が2試合。しっかりと長打が打てる打線だった。世界一を狙えるだけの実力があった。

 しかし今年の代表は成績だけではなく、試合内容を見ていても、前回と比べて世界一を狙える手応えをまだ感じない。アメリカ、台湾に対してはなんとか相手のエラーなどもあって、1~2点を奪って逃げきる試合運びになるのではないか。今大会は守備も安定しており、守り勝つ野球ができるだけの実力がある。

 打線のキーマンとなるのは、今大会11打数6安打を記録している高畑 知希(東洋大姫路)。150キロ台の速球に対して、しっかりと振り切ることができており、内容は最も良い。小倉監督も「高畑は一番良い打ち方をしている」と絶賛する。

 打率.455、出塁率.684を記録している岡部飛雄馬(敦賀気比)は「機動力を生かした野球をしたい。自分は1番打者としてチームを勢いづけるために出塁をして、盗塁もできればと思います」とリードオフマンとして活躍に燃えている。

 8日から2試合連続ベンチスタートとなった阿部葉太(横浜)は「与えられた役割をこなしてやっていきたい」と意気込んでいる。好調時の阿部は速球投手からも打てる打力はあるだけに復調を期待したいところだ。

 ここまで日本の攻撃を見ると連打でつながって点を奪ったのは韓国戦の2回裏のみ。速球投手が揃うアメリカ相手に真価を発揮できれば、チャンスはあるだろう。

 小倉監督はアメリカ戦に向けて「1点差ゲームになるんだろうなと思っています」とロースコアの展開を予想し、キーマンについて語った。

「とにかく今は出塁すれば、バントしかない。キーマンになるのは岡部で、彼はどんなタイプの投手でも走れる信頼感があります。みんな足が速い選手ので、足を絡めた野球ができればと思っています。守備では藤森の存在が大きい。彼はいろんなところが守れますからね」

 優勝候補・アメリカを破るには、まず先制点を与えず、ロースコアで逃げ切るというのが現在の日本代表にとって最善の試合運びだろう。日本はここまで5試合、2失策。12か国では韓国と並んで最小の数字である。

 最後まで守り勝つ野球で世界一になれば、今後のU-18代表のモデルとなる。それが実現できるか注目だ。