全日本大学野球連盟には27連盟が所属している。その中で東京六大学野球連盟と関西学生野球連盟はDH制が導入されていなかった…

全日本大学野球連盟には27連盟が所属している。その中で東京六大学野球連盟と関西学生野球連盟はDH制が導入されていなかったが、来春からこの2連盟もDH制が導入されることが決まっている。当事者の監督や投手たちはどう思っているのだろうか。関西学生秋季リーグ戦の開幕戦の後に見解を伺った。

同志社大の竹川 智之監督は肯定的に捉えている。

「一人でも多くの選手が出られる。今の大学野球はうちもそうですけど、選手がすごく多い。公式戦に出るためにみんな一生懸命やっていますので、その点では良いかなと思います」

DHがあることで、レギュラーポジションが一つ増える。それだけでも選手にとってはモチベーションが上がる材料になりそうだ。

 近畿大の光元 一洋監督は「大きいのを打てる選手が打線の中で一人は欲しいと思っているので、そういった準備はしています」と既に来年に向けて備えている様子。近畿大はドラフト候補の勝田 成内野手(4年=関大北陽)、野間 翔一郎外野手(4年=大阪桐蔭)、阪上 翔也外野手(4年=神戸国際大付)と打線の核になる選手が抜けるため、打線のテコ入れが急務となる。

 これまでは守備に不安のある選手は使いづらかったが、DHがあることでそういった選手をスタメンで起用することも可能になった。来年からは打撃に特化した選手の台頭が見られることだろう。

 関西学生リーグには打撃のいい投手もいる。その代表格が侍ジャパン大学代表にも選出された立命館大のエース左腕・有馬 伽久投手(3年=愛工大名電)だ。高校時代は強打者揃いの愛工大名電で5番を任されており、打撃でも非凡な才能を持っている。今春のリーグ戦でも19打数7安打で打率. 368の好成績を収めた。有馬はDH制の導入を歓迎しつつも投手の視点ではより厳しい戦いを強いられることを覚悟している。

「自分が打席に立つと疲れるので嬉しいですけど、投げている身からすると、ピッチャーのところでアウトを一個取れるところで取れなくなるので、苦しくなってくるのかなと思いますけど、上のレベルいくとDHが当たり前なので、しっかり抑えられるようにしていこうと思います」

 展開によっては打席に立った投手が打つそぶりを見せず、簡単にアウトをもらえる場面がある。それがなくなることで気を抜く場面が減ってくるが、だからこそ緊張感のある攻防が増えてきそうだ。

 関西学院大のエース・飯田 泰成投手(3年=春日)は「バッティングは好きなので、打ちたい気持ちもありますけど、だいぶ楽にはなるのかなと思います」と語る。

 打つだけならいいが、塁に出ればランナーとしてチームに貢献しないといけない。塁上に残ったまま攻撃が終わり、その直後にマウンドへ向かうのは身体的な負担もある。体力的な負担が減ることで、投球のパフォーマンス向上が期待できそうだ。

 また、過去には投手の先輩がバントをした際にボールをバットと指の間に挟んで怪我をしてしまったことがあるという。怪我予防という観点からもDH制は投手を守るためにプラスの要素がありそうだ。

 現場からは概ね好評だったDH制の導入。来春からの戦いが今から楽しみだ。