先週の阪神ダート1400m、新馬戦を勝ったマグナヴィクトル(栗東・中内田充正厩舎)。単勝配当が110円と断然の人気を…

 先週の阪神ダート1400m、新馬戦を勝ったマグナヴィクトル(栗東・中内田充正厩舎)。単勝配当が110円と断然の人気を集めていたので、過去に単勝1.1倍以下で勝ち上がった馬がどのくらいいるのか、調べてみた。

 スマートグレイス、サトノアーサー、サートゥルナーリア、アルジャンナ、コマンドライン、フィデル。そして、今年の2歳新馬を勝ったマルガ(栗東・須貝尚介厩舎)。この中で2着への最大着差は京都ダート1200mのスマートグレイスで1.3秒(8馬身差)だったが、今回のマグナヴィクトルはそれを上回る1.8秒(大差)だったところが記録にも記憶にも残る勝利だったと言えるだろう。

【9月13日(土) 阪神ダート1400m(牝)】

◆シルフ(牝、父ルヴァンスレーヴ、母プロミストリープ、栗東・藤野健太厩舎)

 本馬と同じシルクレーシング所有の半姉プロミストジーン(父ナダル)は新馬、オキザリス賞を連勝して、ヒヤシンスSと青竜Sでは2着。初めてのコーナー4つだった2勝クラスの横手特別を勝っており、5戦3勝という成績で現在3勝クラスに在籍している。

 栗東でのゲート試験合格後にリフレッシュ放牧に出て、8月27日にノーザンFしがらきから栗東へ帰厩。追い切り本数自体は少ないものの、9月4日のCW追い切りでは3頭併せの最後方から最先着。6F79.0秒をマークしている。「8月28日の坂路でいい動きを見せたので、ある程度動くんじゃないかと思っていましたが、それにしても動きましたね」と藤野健太調教師。鞍上は鮫島克駿騎手が予定されている。

【9月14日(日) 阪神ダート1800m】

◆ウンナターシャ(牝、父パイロ、母インディアマントゥアナ、栗東・高柳大輔厩舎)

 半兄に2歳時は朝日杯FS、3歳時はNHKマイルC、そして今年4歳で安田記念とマイルGIを3勝しているジャンタルマンタル(父パレスマリス)がいる血統。

 もともと6月の東京開催でのデビュー予定もあったが、そこをキャンセルしてじっくりと立て直された。戻ってきてからの様子は「以前に比べると、良くなりましたね。成長を促して正解でした」と高柳大輔調教師。9月4日のCWでの併せ馬は6F86.6秒と全体時計は遅かったものの、ラスト1Fが11.1秒。追い切りを見ていても、力強さと素軽さのバランスが整ってきた印象を受ける。鞍上は松山弘平騎手が予定されている。

【9月15日(月) 阪神芝1600m】

◆クロナ(牡、父スワーヴリチャード、母アーマイン、栗東・高橋亮厩舎)

 半兄に福島芝2000mと小倉ダート1700mで計2勝を挙げたゴールドパッキャオ(父オルフェーヴル)がいる。今年5月の北海道トレーニングセールにて、1600万円(税抜き)で落札されている。

 本馬は8月15日のゲート試験に合格すると、翌週から坂路で追い切りを開始。8月28日に4F51.7秒、2F25.1秒、1F12.8秒をマークすると、先週は4F51.3秒、2F24.5秒、1F12.5秒と全体も終いも時計を詰めてきた。時計の出やすい馬場状態ではなかったことを考慮すると、高い評価ができる数字と言ってよいだろう。

◆ティタノマキア(牝、父エピファネイア、母タイタンクイーン、栗東・池添学厩舎)

 半兄に2018年鳴尾記念を勝ったストロングタイタン(父Regal Ransom)、半姉に2022年武蔵野Sを勝ったギルデッドミラー(父オルフェーヴル)などがいる。

 本馬は7月31日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩。8月7日にゲート試験を合格して、その後は在厩のまま調整を進めている。CWでの1週前追い切りは古馬OPエアファンディタを1秒以上追走して同入。ゴール前の手応えは見劣っていたが、6F82.2秒とある程度の時計になったことを考えると、1F11.8秒は仕方ないところかも知れない。鞍上は松山弘平騎手が予定されている。

(取材・文:井内利彰)