人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・32歳。2012年のプロデビューから活躍の場を海の向こうに求め、キャ…
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・32歳。2012年のプロデビューから活躍の場を海の向こうに求め、キャリアで足を運んだ国と地域の数は実に70に到達した。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕はダブリンにいます。
「オメガ ヨーロピアンマスターズ」が行われたスイスから、アイルランドにやってきました。DPワールドツアー(欧州ツアー)「アムジェン アイルランドオープン」はきょう4日に開幕。シェーン・ローリー選手(アイルランド)、ロリー・マキロイ(北アイルランド)選手ら地元のスターも出場する試合です。
僕はツアー参戦以降、この大会に毎年出場して“皆勤賞”。昨年はこのトーナメントを最後に両手首の故障で戦列を離れました。ことしは個人的に名コースだと思っているザ・Kクラブに2年ぶりに会場が戻り、練習ラウンドでもさっそく難しさと楽しさを味わっています。リンクスではなく、日本でいう林間タイプ。木が大きく、池も多く絡むためティショットから高い精度が問われる正統派のゴルフ場です。
約1年ぶりの欧州ツアー出場となった前週は1打及ばず予選落ちでした。それにしても、復帰戦でまさかいきなり1日で36ホールを回ることになるとは…。
初日に午後のプレーを予定していた僕でしたが、朝から深い霧の影響で中断と再開が繰り返され、日中は宿泊ホテルでしばらく待機。ツアーの「絶対に4日間で72ホールやる!」という粘りはすさまじく、僕のスタートは遅れに遅れ、アップデートされた予定ではなんと午後7時半ティオフとのこと…(日没は午後8時20分)。しかし、その後さらに中断時間が延び、結局この日はスタートできませんでした。
そうなると、2日目はまあ大変。午前9時に第1ラウンドを開始し、引き続き第2ラウンドに突入しました。36ホールを回ってホールアウトしたのは午後8時前。天候は開幕前の青空とは打って変わって気温が下がり、まるで「全英オープン」の予選会のような雰囲気だったんです。
残念ながら決勝ラウンド進出には1打届かなかったものの、ケガ明けの復帰戦と考えれば手応えも十分。距離感も手探りだった中、「72」だった第1ラウンドの後、第2ラウンドは「66」。最終ホールはティショット、セカンドショットともに完ぺきで1mのバーディパットを決めてフィニッシュしました。
僕のホールアウト後にカットラインが上がり、通過圏外にはじき出されてしまったのですが、時間が経ったいま振り返ると良いゴルフができたと思えます。準備を整えていた暑い日本とは違って、気温が低い欧州ではボールがなかなか飛びません。もちろん復帰から間もないこともあり、1Wショットのキャリーは260ydほど。その苦しさに直面しながら、故障中に取り組んだショートゲームの練習の成果も見られて、スコアメークに生きました。
飛距離が「飛ぶ女子プロくらい」というのも、今のところ笑いのネタにしています。本調子に戻るまでの道のりはまだまだ長いはず。自分を見失うことなく、じっくりやっていきます。